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高齢者のための感染症診療

岩田 健太郎 (監修・著) / 高山 義浩, 馳 亮太 (著)

丸善出版 株式会社

180 頁  (2017年7月)

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リリース日: 2018年07月13日

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『類化性能』 と 『別化性能』、高齢者を前にしたとき、あなたなら、どちらを選ぶ?

岩田健太郎氏・シリーズ総監修による超高齢者時代における新たな臨床指南書(【高齢者のための】シリーズ)の第1弾「感染症診療」編。高齢者ならではの「Difference Point」(フレイル、免疫低下、水分量、腎機能など)を提示し、外来、在宅、施設等における感染症診療の「リアルパール」を解説しています。

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類化性能』 と 『別化性能』、高齢者を前にしたとき、あなたなら、どちらを選ぶか。本書は、岩田健太郎氏・シリーズ総監修による超高齢者時代における新たな臨床指南書(【高齢者のための】シリーズ)の第1弾「感染症診療」編。高齢者ならではの「Difference Point」(フレイル、免疫低下、水分量、腎機能など)を提示し、外来、在宅、施設等における感染症診療の「リアルパール」を解説している。また、第4部「座談会」では、著者3名に集まってもらい、「2025年問題」や「HIV感染者の施設受入拒否」など、高齢社会を踏まえた本音トークが披瀝される。シリーズ第2弾は『高齢者のため漢方診療』。


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はじめに

高齢者と感染症について本を書く.この企画を聞いたとき,すでにぼくの頭にはテキストの完成像が頭の中に浮かび上がっていた.これは高山先生と馳先生に協力してもらうしかないな,と瞬時に思ったのだ.


感染症を専門とする医者は日本には少なくない.しかし,臨床医学としての感染症,患者マネジメントとしての感染症,「臨床的な眼差し」をもった感染症屋は多くない.特に高齢者医療とその周辺,例えば,老健施設や在宅というセッティングで感染症を語れる感染症屋となると極めて希少な存在だ.


しかし,われわれには 高山先生 と 馳先生 がいる.


高山先生は,感染症で有名な沖縄県立中部病院(OCH)で感染症を専門にしていながら,かつ在宅診療もされている極めて希少種である(奇行種ではない).おまけに厚生労働省の官僚だった過去をもち,世界を旅してルポを書くジャーナリストだった過去をもつ,世界でも極めて稀有な存在だ(やはり奇行種か?).日本の高齢者医療についても,特に制度や展望について熟知されているのも心強い.


馳先生は,日本では馴染みのないOPAT をご専門の1 つにし,感染症の治療だけでなく「在宅における感染症治療」というこれまた極めて限定的な領域の第一人者である.


そして不肖岩田は,別に高齢者医療の専門家ではないが,亀田総合病院時代に在宅医療のトップランナーである小野沢滋先生,家庭医療で高名な岡田唯男先生とその仲間たち,そして亀田リハビリテーション病院の井合茂夫先生たちと仕事をする僥倖に恵まれ,かつ総合診療科の部長としてたくさんの高齢者の診療にコミットできた.


よっしゃ,これで本書はできたも同然だ.


そんなわけで,本書は世界でも例のない,高齢者医療に親和性の高い感染症屋による高齢者の感染症診療に関するテキストだ.世界で最先端を行く高齢化社会を突っ走る日本.感染症診療はどうあるべきか,ぜひ本書をお読みいただき,読者の皆様の診療の参考にしていただきたい.


2017年新緑の5月

岩田 健太郎


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第1部 総論

1章 高齢者と感染症(診療編)

1. 高齢者であればこそ,ちゃんと診断して,ちゃんと治療する

2.感染症診療の原則は,コモンに始まり,稀な疾患を経て,致死性疾患の除外

3.高齢者の診察,陥りがちな6 つのピットフォール

4.必ずアセスメントを立て,検査で「重症度」を把握する

5.治療の原則は「抗菌薬を使うか?」「使わないか?」

2章 高齢者と感染症(感染防止編)

1.厚労省のマニュアルは「案外」間違っている

2.まずは感染経路を考える

3.施設入所を断る前に,医学的な「理」を尽くして考える

4.スタッフのインフルエンザとノロウイルスは,要注意!

第2部 各論

3章 呼吸器感染症

1.高齢者の風邪は,風邪じゃないと考える

2.「咽頭炎?」=「抗菌薬処方」は,厳に慎む

3.検査が陽性でも陰性でも,臨床的に「インフルエンザ」と診断する

4.高齢者の肺炎は「診断困難」

5.高齢者の咳嗽で抗菌薬が治療選択となることはほとんどない

4章 消化器感染症

1.脱水に弱い高齢者,意識変容をチェックせよ

2.細菌性下痢症を疑ったら便培養は大事

3.CDIは抗菌薬関連下痢症の代表,全例「接触感染予防」が妥当

4.高齢者施設でのノロウイルスはじつに厄介,対応は「徹底的に」

5章 皮膚軟部組織,骨,関節感染症および疥癬

1.褥瘡感染は,一に「予防」,二に「オグサワ」療法

2.下肢の炎症は,患肢の拳上が効果的

3.関節や骨の炎症は,プロの介入を必要とする

4.イベルメクチンで,疥癬治療は飛躍的に「楽に」

6章 尿路感染症

1.抜去は速やかに,問題を先送りにしない

2.診断は難しく,尿培養と感受性検査は必須

3.高齢者のUTIには,ホスホマイシンは用いない

7章 胆道感染

1.「胆管炎」は消化器内科,「胆嚢炎」は外科,で覚える

2.スルペラゾンは緑膿菌を無駄に殺してしまう

3.抗菌薬の使用は胆汁移行性で判断

8章 中枢神経感染症

1.高齢者にとって,髄膜炎は稀ではあるが「鬼門」

2.高齢者の髄膜炎は診断困難,疑いモードでワークアップする

3.マニアックなウイルスはプロに相談

9章 菌血症および感染性心内膜炎

1.血液培養「陰性」=敗血症(×)ではない

2.敗血症はボトムライン(肝です)で掴み取る

3.カテ感染は「カテの感染」ではありません

4.IEでは「血液培養」と「心エコー」を満たせばよい

10章 予防的抗菌薬

1.心内膜炎予防に「抗菌薬いらね」ですが...

2.「抗菌薬はOTC ではない」をわきまえる

3.抗菌薬による予防は,感染症のプロに「おまかせ」

11章 予防接種

1.高齢者へのインフルワクチンは,罹患率や死亡率を半減させる

2. 肺炎球菌ワクチンは,肺炎そのものには寄与しない?

3.土いじりをする高齢者には,破傷風ワクチンの接種を

4.帯状疱疹は神経痛などの後遺症の原因に

12章 不明熱

1.抗菌薬とステロイドを使うな

2.患者のすべてを理解するつもりで,「病歴」「病歴」「病歴」

3.人を見たら,結核と思え

4.手(爪),目,口腔内,首の診察にコツがあり

5.リンパ節,関節,皮膚の診察も重要

第3部 応用編

13章 在宅ケアにおける感染症と感染対策(理論編)

1.暮らしのなかで「落としどころ」を見出す

2.在宅であっても発熱のフォーカスは探しきる

3.在宅ケアで使いこなしたい「10 の抗菌薬」

14章 在宅ケアにおける感染症と感染対策 (実践編)

1.訪問看護と連携して,在宅で抗菌薬を静注する

2.耐性菌だからという理由で,在宅をあきらめることはない

3.「暮らし」を尊重しつつ,在宅の感染対策を考える

15章 高齢者感染症とOPAT

1.「病院≠安全地帯」.避けられる入院は避けたほうがよい

2.OPATとは,適切な静注抗菌薬治療を提供するための包括的な仕組みである

3.不必要,不適切なOPATは御法度!

4.OPATを有効利用することで外来診療の幅が広がる

5.訪問看護を有効利用してOPATの適応を広げる

16章 日本の高齢化とこれからの地域医療

1.「シルバー民主主義」という壁を乗り越えられるか...?

2.豊かな「施設の暮らし」こそ,地域包括ケア構築のカギ

3.高齢者の尊厳とは「生活者」として支援すること

4.医療者が説明責任を果たさなければ,制度は守れない

5.「医師の高齢化」も見据えた地域医療のシステムを考える

第4部 座談会

17章 座談会(臨床編)

1.高齢者の感染症診療は「高齢者でない人たち」の延長線にある

2.高齢者医療に「王道なし」,要は普段の診療力

3.隣の家のペットの名前(?)まで,聞き出す努力が大事

4.抗菌薬が必要かどうか,「やめる」判断も求められる

5.終末期における「忖度(そんたく)」,日本風の「呼吸合わせ」は独特

18章 座談会(制度編)

1.本気で「家に帰す」のならば,制度を徹底活用する

2.「高齢者としての当事者性」を備えた高齢医師を地域医療の現場へ

3.受け入れ拒否には,トップだけでなくスタッフを含め説得する

4.2025 年と2040 年,大きな2つの波に備える

5.ご高齢の患者さんに「One of many patients」として接する

つぶやきコラム一覧

厚労省がそういっている?

生理用ナプキンは感染性廃棄物?

人生予定どおりいくとは限らない

専門家へのコンサルトについて

高齢者施設における多剤耐性菌対策

各国のOPAT

高齢者施設における抗菌薬の適正利用に向けた支援

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