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臨床研究のための倫理審査ハンドブック

笹栗 俊之, 池松 秀之 (編著)

丸善出版 株式会社

366 頁  (2011年7月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

eBook Price(ダウンロード販売): ¥9,072 (税込) 

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リリース日: 2018年03月23日

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臨床研究や倫理審査に関する本質的な知識や認識を育むために執筆された、倫理審査に関わる人々のための参考書

基本的な理念や知識をまとめた「基礎編」、倫理審査の現場でそのまま使える知識や技術が身に付く「実践編」、国内外の法規や倫理指針のうち主要なものを厳選した「資料編」の三部構成。付録には参考にしていただきたい文書の雛形、用語の解説などが掲載されています。

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臨床研究(治験・先端医療)現場における様々な倫理審査の拠り所になる情報を網羅したハンドブックです。倫理審査委員会に関わるすべての人々に必須の、基本的な理念や知識をまとめた参考書はこれまでほとんどありませんでした。 本書「臨床研究のための倫理審査ハンドブック」は、基礎編・実践編・資料編から成り倫理審査の現場に則した内容となっているばかりでなく、一般読者にとっても、興味深い内容が盛り込まれた読み物として、有用・有益な実用書となります。


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はじめに

自然科学の発展は,生命について膨大な知識をもたらしたばかりでなく,医療に応用可能な数多くの新技術を生み出してきました.しかし,新しく創られたばかりの薬剤や医療機器を病気の治療に利用するには,その効果と安全性を確認するために臨床試験を行わなければなりません.また,病態の理解や,より有効な治療法の探索のため,医療の現場では様々な臨床研究が盛んに実施されています.

しかしながら,過去においては,研究成果を求めるあまり,被験者の安全や健康を損なう事件が幾度も起こりました.臨床研究の倫理は,それらへの反省をきっかけとして進歩してきました.そして,ある時から,臨床研究の実施に際しては,その計画を第三者が事前に審査し,研究に参加する被験者を保護することが求められるようになりました.

日本では,1997 年にGCP が厚生労働省の省令として公表され,これにより治験は法規制されることになり,治験を実施する医療現場は数多くの要件を求められました.倫理審査委員会の設置は大きな変化の一つでした.一方,今世紀に入ると,一般的な臨床研究に対しても倫理指針が続々と作られ始め,この10 年間で日本の倫理基準に大きな変化がもたらされました.これらにより,被験者保護の体制は次第に整備されてきました.

ただ,これらの変化は,臨床研究の体制整備という,あくまで制度上の変化であり,その本質となるべき研究倫理についての議論や理解はまだ成熟していません.倫理審査委員会のメンバーですら,臨床研究や倫理審査に関する本質的な知識や認識が十分とは言えないのが現状です.

我々は,そのような知識や認識を育むには,倫理審査に関わる人々のための参考書が必要だと考えました.しかし,日本には,それに相応しい本がほとんどありませんでした.そこで,それでは自分たちで作ろうということになり,書き上げたのが本書です.

この本は,倫理審査の現場で即座に参照できる書籍を想定して作りましたが,倫理審査委員会委員や委員会事務局の方々にとってはもちろんのこと,審査を受ける側である研究者の方々にとっても役に立つ本を目指しました.また,研究倫理を学びたい人の入門書としても使えるのではないかと思っています.

基礎的な研究は,実験室にこもって研究者1 人で行うこともできるかも知れませんが,臨床研究はそうはいきません.臨床研究は,数多くの人々の協力を得て,社会の中で行うものなので,倫理性の確保が非常に重要です.倫理審査委員会の仕事に携わる人も,臨床研究に関わる大勢の人々の一員です.しかも,研究者の独善に陥らず適正に臨床研究が行われていることを社会に対して保証することがその役目ですので,責任は重大です.

人が集まったところには,皆が納得するルールが求められます.このルールが「倫理」と呼ばれるものです.ところが,倫理を「道徳」と同じだと思って,感性や人生経験だけで審査できると考えている方もいらっしゃいます.しかし,道徳というものは社会が変わっても大きく変わることがないのに対し,倫理は,価値観の変遷や社会の成熟とともに変化します.今日の研究倫理は,長い歴史を経て高度に発達を遂げ,さらに発達し続けています.ですから,倫理審査に携わる者は,最新の研究倫理への意識を常に研ぎ澄ましておく必要があるのです.個人的な感性はたしかに重要ですが,倫理的問題を,それだけに頼って判断するわけにはいきません.

また,研究には論理性が必要です.被験者や社会に負担をかけてまで,科学的価値のない研究を行うことは許されません.そのためには,倫理審査委員会の委員が,科学的側面も含めて,臨床研究とはどういうものなのか理解していないと,研究の適切性を判断することはできません.つまり,委員には,研究の論理性(科学性)についての判断力も求められるのです.

ただ,倫理審査委員会の仕事を,あまり難しく考える必要はありません.臨床研究への興味と倫理審査への心構えさえあれば,どなたでも従事することができます.むしろ,なるべく多くの方々に参加していただき,将来の医療のために適正な臨床研究を促していただきたいと思います.

本書は第Ⅰ部~第Ⅲ部が基本構成となっています.第Ⅰ部は「基礎編」で,倫理審査委員会に関わるすべての人々に知っておいてもらいたい基本的な理念や知識をまとめました.第Ⅱ部は「実践編」で,倫理審査の現場でそのまま使える知識や技術をまとめています.第Ⅲ部は「資料編」で,倫理審査に必要な国内外の法規や倫理指針のうち主要なものを選んで掲載しました.また,第Ⅳ部は「付録」として,参考にしていただきたい文書の雛形,用語の解説などをつけました.

倫理審査はともすれば堅苦しくなりがちですが,やはり,楽しみながらやらなければ長続きしません.皆さんに,研究倫理に関心を持っていただき,倫理審査に喜んで参加していただくため,このハンドブックは,単なるリファレンスではなく,読み物としても面白いものを目指したつもりです.また,親しみやすくするため,書き下ろしの第Ⅰ部と第Ⅱ部は常体(だ・である調)ではなく敬体(です・ます調)にしました.

執筆した人たちは,臨床研究や倫理審査に日頃から深く関わっていますが,このような本を作るのには不慣れですので,至らない点もあるだろうと思います.お使いいただいて,改善した方がいいとお気づきになった点があれば,是非お知らせ下さい.改訂する際,参考にさせていただきます.


2011年 初夏

編者 笹栗 俊之
池松 秀之


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はじめに

目次

第Ⅰ部 基礎編

Ⅰ‒1 歴史的背景

Ⅰ‒2 臨床研究とは

Ⅰ‒3 審査に必要な統計学の知識

Ⅰ‒4 倫理原則と倫理指針

Ⅰ‒5 臨床研究と法

第Ⅱ部 実践編

Ⅱ-1 臨床研究の実際

Ⅱ‒2 倫理審査委員会

Ⅱ‒3 倫理審査の手順

Ⅱ‒4 審議のポイント

第Ⅲ部 資料編

Ⅲ‒1 国際的な倫理指針

Ⅲ‒2 日本の法令と指針

Ⅲ‒3 参考資料

第Ⅳ部 付録

Ⅳ‒1 研究実施計画書作成の手引き

Ⅳ‒2 専門用語解説


あとがき

索引

編者・執筆者紹介

奥付

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