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薬物治療モニタリング ケースで学ぶ臨床思考プロセス

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2010年12月
  • 電子版発売日 : 2012年5月2日
¥2,750(税込)
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商品情報

内容

本書はどこで働いていようと,すべての薬剤師が身につけておくべき基本的な臨床思考プロセスを習得することに焦点をあてています。患者が最適な薬物治療を受けているかどうかを判断するには、薬物治療の知識はもとより、患者インタビューで必要な情報を的確に収集するコミュニケーションスキル、薬物治療を評価・解析するためのモニタリングスキルが重要です。
本書を通してこれらのスキルを鍛えることにより、ガイドラインの更新や新薬の上市にも、自らの力で情報をアップデートし、最適な薬物治療を考え、実施することができるようになります。

序文

薬学教育が6年制へ移行したことにより,大学教育における臨床の比重はますます高まっています.この変化に対応するために,教育・臨床現場ともに,長期にわたる実習で学生は何を学ぶべきなのか,臨床現場の薬剤師はどう学生を指導すべきなのか,さまざまな工夫をしながら取り組んでいるようです.

2006年4月,薬学教育6年制移行と時期を同じくして,「Pharm.D.クラブ」(//pharmdclub.cocolog-nifty.com)という,海外で臨床教育を受けた日本人薬剤師のネットワークを結成しました.このクラブでは結成から今まで, これからの薬剤師教育に必要な教材について話し合ってきました.薬学生・薬剤師用の薬物治療書としては,これまで海外の薬物治療書の日本語版がよく用いられてきましたが,その内容は必ずしも日本の臨床に即したものではありませんでした.海外と日本のガイドラインを比較し,私たちが海外で身につけた臨床スキルを日本の現場に沿うように吟味する必要性などから,実際に形にするまでの過程は簡単ではありませんでしたが,ようやく本書の発行に至ることができました.

薬物治療の解説が中心の従来の書籍とは異なり,本書では疾病・医薬品の解説は必要最小限にして,薬剤師としての「考え方」を訓練することに重点をおきました.「臨床」という言葉を使うと,臨床薬剤師対象の内容と捕らえられてしまいがちですが,本書はどこで働いていようと,すべての薬剤師が身につけておくべき基本的な臨床思考プロセスを習得することに焦点をあてています.患者が最適な薬物治療を受けているかどうかを判断するには,薬物治療の知識はもとより,患者インタビューで必要な情報を的確に収集するコミュニケーションスキル,薬物治療を評価・解析するためのモニタリングスキルが重要です.本書を通してこれらのスキルを鍛えることにより,ガイドラインの更新や新薬の上市にも,自らの力で情報をアップデートし,最適な薬物治療を考え,実施することができるようになります.

本書が最適な薬物治療を考えるためのツールとなれれば幸いです.

最後に,発刊にあたり多くのご協力を頂いた南山堂編集部に心から感謝いたします.


2010年 秋

Pharm.D.クラブ代表
岩澤 真紀子

目次

第1章 薬物治療モニタリングの基本スキル


Lesson1 薬物治療モニタリングの基本スキル

薬物治療の評価に必要な情報の収集

薬物治療を評価するための情報の統合・整理

薬物治療が適切かどうかを評価する

薬剤関連の問題点を解決するための計画立案

Exercise


Lesson2 患者インタビューの基本スキル

患者インタビューの心構え

アクティブ・リスニング

患者を尊重する

専門用語の使用

コミュニケーションに影響を与える因子

特別な状況

インタビュースキル

開いた質問・閉じた質問の使い分け

症状をたずねる─Basic 7 Questions─

Exercise


Lesson3 アドヒアランスの概念と薬剤師の役割

アドヒアランスの概念

アドヒアランスの実際とその影響

アドヒアランスの評価

アドヒアランスのバリアー

患者の社会人口学的特性と心理社会的要因

意図的なノンアドヒアランスと無意識におこるノンアドヒアランス

薬剤師とアドヒアランス

患者へのアドヒアランス教育

医療従事者へのアドヒアランス教育

アドヒアランス研究の必要性

Exercise

第2章 症例で学ぶ薬物治療モニタリング


Lesson1 高血圧

Case 1

Step1 血圧値の分類

Step2 高血圧の危険因子

Step3 降圧目標値の設定

Step4 高血圧管理計画をたてる

Step5 生活習慣の改善

Step6 フォローアップ

Case 2

Step1 血圧値の分類

Step2 降圧目標値の設定

Step3 高血圧治療の評価

Step4 高血圧管理計画をたてる

Step5 降圧薬の副作用モニタリング

Step6 患者カウンセリング

Case 3

Step1 血圧値の分類

Step2 降圧目標値の設定

Step3 高血圧治療の評価

Step4 高血圧管理計画をたてる

Step5 治療効果不十分なときの対応

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座


Lesson2 糖尿病

Case 1

Step1 糖尿病の分類

Step2 糖尿病の臨床症状

Step3 血糖値の判定基準・糖尿病の判別

Step4 血糖コントロール指標とその他のコントロール指標

Step5 初診時のカウンセリング : 糖尿病の非薬物療法

Step6 フォローアップ

Case 2

Step1 再診時の血糖評価

Step2 慢性合併症の理解

Step3 経口糖尿病薬の選択

Step4 患者カウンセリング

Step5 モニタリング計画

Case 3

Step1 低血糖症状の理解

Step2 インスリンの種類

Step3 インスリンの投与量変更

Step4 モニタリング計画

Step5 患者カウンセリング

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座


Lesson3 脂質異常症

Case 1

Step1 脂質異常症の危険因子と冠動脈疾患リスク

Step2 治療目標値の設定

Step3 肥満症の理解

Step4 生活習慣の改善

Step5 フォローアップ

Case 2

Step1 脂質異常症の危険因子

Step2 治療目標値の評価

Step3 生活習慣改善の評価

Step4 薬物治療の評価

Step5 薬物治療の変更

Step6 患者カウンセリング

Case 3

Step1 二次性脂質異常症の分類と原因

Step2 脂質異常症の危険因子

Step3 治療目標値の評価

Step4 薬物療法の評価

Step5 脂質異常症治療薬の副作用モニタリング

Step6 患者カウンセリング

Step7 治療効果不十分なときの対応

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座


Lesson4 急性冠症候群

Case 1

Step1 急性冠症候群病態の理解

Step2 急性期治療の理解

Step3 2次予防の意義と評価

Step4 2次予防薬の副作用モニタリング

Step5 冠危険因子のスクリーニング

Step6 患者カウンセリング

Case 2

Step1 急性冠症候群治療の理解

Step2 2次予防の評価

Step3 冠危険因子のコントロール

Step4 追加薬剤のモニタリング計画

Step5 患者カウンセリング : 胸痛時の対応

Case 3

Step1 ステント挿入時に用いられる薬剤の理解

Step2 薬物治療の評価 : 糖尿病治療薬と心筋梗塞2次予防

Step3 冠危険因子のコントロール

Step4 患者カウンセリング : 抗血小板療法

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座


Lesson5 慢性心不全

Case 1

Step1 心不全の定義とNYHA分類

Step2 心不全の危険因子

Step3 治療目標をたてる

Step4 収縮機能不全または拡張機能不全の分類

Step5 心不全管理計画をたてる

Step6 患者カウンセリング

Step7 フォローアップ

Case 2

Step1 心不全の症状とNYHA分類

Step2 治療目標をたてる

Step3 心不全治療の評価

Step4 危険因子のコントロール

Step5 患者カウンセリング

Step6 フォローアップ

Case 3

Step1 心不全の種類とNYHA分類

Step2 心不全の危険因子

Step3 薬物治療の評価と治療計画

Step4 ジゴキシンの評価

Step5 患者カウンセリング

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座


Lesson6 禁煙薬物治療

Case 1

Step1 ニコチン依存症の病態の理解

Step2 初診時のカウンセリング

Step3 禁煙療法の選択

Step4 禁煙療法のカウンセリング

Step5 生活習慣改善と行動療法

Step6 フォローアップ

Case 2

Step1 初診時のカウンセリング

Step2 禁煙療法の選択

Step3 禁煙療法のカウンセリング

Step4 フォローアップ

応用編 やってみよう!

Exercise

スキルアップ講座

第3章 Clinical Decision Making Exercise


Lesson1 高血圧・糖尿病のまとめ
糖尿病コントロール悪化

Scene1 薬剤管理指導開始(第1病日)

Scene2 初回患者面談

Scene3 ナースステーションにて

Scene4 医療チームとの回診(第3病日)

Scene5 医師から薬局に電話(第8病日)

Scene6 薬局での臨床検査値チェック(第9病日)

Scene7 医師から服薬指導の依頼(第9病日)

Scene8 看護師への連絡事項

Scene9 退院指導1(第13病日)

Scene10 退院指導2(第13病日)

解説編


Lesson2 脂質異常症・心筋梗塞のまとめ

心筋梗塞発症後の二次予防

Scene1 PCI後(第10病日)

Scene2 初回患者面談1(第11病日)

Scene3 初回患者面談2(第11病日)

Scene4 医師からの相談1(第12病日)

Scene5 医師からの相談2(第12病日)

Scene6 病棟回診(第13病日)

Scene7 病棟カンファランス1(第15病日)

Scene8 病棟カンファランス2(第15病日)

Scene9 看護師からの質問(第18病日)

cene10 退院指導(第20病日)

解説編


Lesson3 心不全・禁煙薬物治療のまとめ

心不全と心筋梗塞合併患者への禁煙指導

Scene1 薬局にて

Scene2 薬局のカウンセリングコーナーにて1

Scene3 薬局のカウンセリングコーナーにて2

Scene4 病院薬剤部にて(第1病日)

Scene5 病室にて(第1病日)

Scene6 病室にて(第2病日)

Scene7 病棟カンファランス1(第2病日)

Scene8 病棟カンファランス2(第2病日)

Scene9 退院指導1(第4病日)

Scene10 退院指導2(第4病日)

解説編

豆知識

・ 血圧の日内変動

・ 糖尿病患者に対するACE阻害薬以外の降圧薬の使用

・ HbA1cの国際標準化

・ 低血糖症状に陥った際の対応

・ 糖尿病足病変予防のためのフットケア

・ 急性冠症候群の治療(PCI)に使用されるステントの種類

・ PROactive試験で示されたピオグリタゾンの冠動脈疾患への影響

・ 日本で承認されているPPIとCYP2C19阻害作用

・ 心不全治療におけるACEIとARBの併用

・ 心不全治療における血管拡張薬の役割

・ 心不全の増悪因子と患者カウンセリング

・ アルコール性心筋症

・ 低血糖エピソードとβ遮断薬

・ 5つのR

・ 日本人の喫煙率

・ ニコチン依存症のスクリーニングテスト

・ インスリン抵抗性とHOMA-R

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対応機種

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    iOS 10.0 以降

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    AndroidOS 5.0 以降

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    ダウンロード時に必要なメモリ:510.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
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  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784525770716
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2010年12月
  • 電子版発売日:2012年5月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。