乳癌診療アプリケーションノート

  • ページ数 : 173頁
  • 書籍発行日 : 2014年7月
  • 電子版発売日 : 2019年6月21日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

国立がん研究センター中央病院乳腺グループの総力を結集した乳癌診療マニュアル!

乳癌診療の流れに沿って,「診断・治療方法の方針」を箇条書きで簡潔に示すとともに,なぜその方法を選択することになるのか,根拠となった「エビデンス」を提示し,これを実地臨床に落とし込むための「考察」をまとめました.診療方針の組み立てにご活用下さい.

序文

乳癌診療においては,その診療技術が多岐にわたって多くのエビデンスに裏付けられています.一方,エビデンスが多すぎて,そのひとつひとつを実地臨床にどう落とし込んでいけばよいかわからない,自信がない,という声もよく耳にします.

国立がん研究センター中央病院乳腺グループでは,伝統的にエビデンスとコンセンサスを重視した診療を行っており,乳癌診療に関わる各科が一同に会してカンファレンスを行い,そのコンセンサスを院内の「乳癌診療マニュアル」としてまとめる努力を続けてきました.このマニュアルは2003年に初版を作成後,ほぼ1年ごとに改訂しています.患者を目の前にした際に,診療方針(診断・治療方法,検査など)とその流れ・手順が一目でわかるようにエッセンスを簡潔に記載しており,乳癌診療に携わるすべての医療スタッフが白衣のポケットに入れて持ち歩いています.

今回,このマニュアルを骨子として,「乳癌診療アプリケーションノート」を上梓する運びとなりました.本書は,診療の流れに沿って,診断・治療方法の方針を箇条書きで簡潔に示すとともに,各執筆担当者に,なぜその方法を選択することになるのか,その根拠となったエビデンスを示していただき,それを実地臨床に落とし込むにあたっての考え方や課題を「Evidenceからの考察」としてまとめていただきました.

本書のねらいは,国立がん研究センター中央病院乳腺グループの診療方針をそのまま実施していただくことではありません.むしろ読者の方々から我々の解釈へのご批判が当然あることとして,読者ご自身の批判的吟味の過程を大事にしていただきたいと考えています.本書のタイトルを「アプリケーションノート」といたしましたのも,本書の余白をご自身のノートとして活用していただきたいからです.つまり,余白には,取り上げられていないエビデンス,新しいエビデンス,そのエビデンスに対する批判的吟味をどんどん書き込んでいただき,読者ご自身の考察を深めたり,ご自身の施設の診療方針を組み立てたりする際に,議論の端緒として活用していただきたいと考えています.本書が真っ黒になって,それぞれの施設での「診療マニュアル」の作成に活かされることを願っています.

最後に,本書の出版にあたりご協力いただいた国立がん研究センター中央病院乳腺グループのスタッフおよびOBの先生方,編者の意図を適確に汲み取り,編集の労をとってくださった南山堂の熊倉倫穂氏に心より感謝申し上げます.


2014年6月

編者一同

目次

第I章 基本的評価

1.Staging

1 clinical staging

2 pathological staging

2.病理組織学的評価

1 総論

2 検体の取り扱い

 1.固定

 2.切り出し

 3.包埋,薄切,染色

3 組織学的Gradeの評価

 1.浸潤癌

 2.非浸潤癌

4 脈管浸潤の評価

5 ホルモン受容体の評価

6 HER2の評価

7 Ki67の評価

8 Oncotype Dx

9 センチネルリンパ節の評価

10 部分切除標本の断端評価

11 術前化学療法症例

3.卵巣機能の評価

第II章 Primary Breast Cancer

1.局所療法:手術

1 乳房

 1.術式

 2.術前検査と乳房の術式の適応

 3.乳房温存療法後の断端の評価と対応

2 腋窩

 1.術式

 2.センチネルリンパ節生検の適応

 3.センチネルリンパ節生検の手技

 4.センチネルリンパ節生検後の治療

3 乳房再建

 1.乳房再建の時期,手術回数による分類

 2.適応

 3.術式

 4.乳房再建の追加手術

 5.乳房部分切除に対する再建術

2.術後放射線療法

1 乳房切除例

 1.対象

 2.照射範囲,照射線量

2 乳房温存例

 1.対象

 2.照射範囲,照射線量

3 術前化学療法症例

 1.対象

4 照射のタイミング

3.術後薬物療法

1 浸潤癌の術後薬物療法

 1. 術後薬物療法の適応

  ①ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌

  ②HER2陽性乳癌

  ③ホルモン受容体陰性HER2陰性(triple negative)乳癌

 2.術後薬物療法の内容

  ①化学療法

  ②内分泌療法

  ③trastuzumab

2 DCIS症例

 1.乳房温存の場合

 2.乳房切除の場合

3 アロマターゼ阻害薬の使用例,SSRI内服例への対応

 1.アロマターゼ阻害薬使用患者の骨密度減少への対応

 2.SSRI内服患者への対応

4.術前薬物療法

1 手術可能乳癌

 1.対象

 2.治療

2 局所進行乳癌(Stage ⅢB/ⅢC)

3 術前化学療法症例の術後内分泌療法

4 術前化学療法後のnon─pCR症例

5 術前内分泌療法

5.術後フォローアップ

1 原則

2 問診,視触診

3 乳房画像診断

4 婦人科検診

5 その他の検査(CT,骨シンチグラフィ,PET,腫瘍マーカーなど)

6 患者教育

7 術後リンパ浮腫への対応

 1.退院オリエンテーションにおけるリンパ浮腫予防指導

 2.リンパ専門外来でのリンパ浮腫発症時のケア

8 地域連携

6.男性乳癌

7.妊孕性保持支援

8.遺伝カウンセリング・遺伝子検査

1 遺伝カウンセリング

 1.遺伝カウンセリングとは

 2.遺伝カウンセリング外来の受診を勧める場合

2 遺伝子検査

3 BRCA1/2遺伝子検査で異常が認められなかった場合のリスク評価

4 BRCA1/2遺伝子検査陽性例に対する予防的介入

第III章 Metastatic Breast Cancer

1.基本原則

1 転移・再発乳癌の治療総論(治療の目標,目的)

2 転移・再発乳癌の治療の流れ

3 再発例に対する再生検

2.薬物療法

1 内分泌療法

 1.適応

 2.治療選択の目安

 3.各種内分泌療法

2 化学療法/分子標的療法

 1.レジメン選択の目安

  ① HER2陰性乳癌

  ② HER2陽性乳癌

 2.化学療法

 3.分子標的療法

  ① 抗HER2薬

  ② その他の分子標的療法

 4.ホルモン受容体陽性例への対応

 5.各病態別の化学療法

  ① PS不良例,高齢者

  ② 臓器機能不良例(肝機能,腎機能,骨髄機能低下時)におけるレジメン選択

3.病態別の治療

1 局所再発

 1.切除不可能な場合

 2.切除可能な場合

2 単発の遠隔転移

3 中枢神経転移

 1.3cm以下の単発性転移性脳腫瘍

 2.3cm以上の単発性転移性脳腫瘍

 3.多発性脳転移性脳腫瘍(いずれの病変も3cmを超えない)

 4.多発性脳転移性脳腫瘍(3cm以上の病変を含む)

 5.癌性髄膜炎

  ① 原則

  ②Ommaya reservoirの適応

  ③ 投与薬剤

  ④ 水頭症

4 骨転移

 1.原則

 2.治療

  ① 各治療法の適応

  ② 長管骨の場合

  ③ 脊椎の場合

 3.コルセット・装具の適応

 4.リハビリテーションのタイミング

 5.bone modifying agents (zoledronateまたはdenosumab)の適応

5 悪性胸水,癌性腹膜炎

 1.悪性胸水

 2.癌性腹膜炎

4.疼痛コントロール

1 鎮痛薬の選択

2 オピオイド変換の目安と切り替え方法

5.転移・再発乳癌における連携

1 緩和ケアにおける連携

2 地域連携


付表 主なレジメン・薬剤費一覧


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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784525421014
  • ページ数:173頁
  • 書籍発行日:2014年7月
  • 電子版発売日:2019年6月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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