南学 腎臓病学

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2017年5月
  • 電子版発売日 : 2018年6月8日
¥3,520(税込)
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商品情報

内容

東京大学の南学正臣教授が,腎臓病全体を非常にコンパクトにわかりやすく解説した教科書!

腎臓病学のエッセンスが全10章・計90項目!臨床の現場で一般内科医が感じる「なぜそうするのか」「なぜそう考えるのか」という素朴な疑問にも答えます。医学生、研修医、勤務医、実地医家にもお薦めのハンドブックです。

序文

腎臓は生体の恒常性を司るきわめて重要な臓器であり,医療のどの現場においても,腎機能障害の患者に対応することは必要となる.加齢に伴う腎機能の低下も問題となる.そのような状況で適切に対応するためには,腎臓の構造と機能に関する基礎的な知識を持ったうえで,臨床的なエビデンスに基づいた対応をすることが求められる.

本書では,腎臓病学全体を大きく10 の章に分け,さらに各章を9つの項目で構成するようにした.最新の腎臓病学のエッセンスを,この10 章90 項目にバランスよく配置し,ひとつの項目ごとにコンパクトに解説することを心掛けた.興味のある項目を拾い読みしていただいてもかまわないが,150 ページ足らずの小さな書物であるので,できるだけ第1章から第10 章まで全体を通して読んでいただきたい.腎臓病学の全体像が頭に入り,それまで断片的だった知識が有機的につながって,読者の理解が一層深まるはずである.

「読み物形式」という本書の形式上,学会や研究班のガイドライン・診断基準などの引用元については,できる限り本文中に記載したつもりであるが,もし漏れがあればご容赦頂きたい.

本書は,腎臓病診療の現場において感じることの多い疑問について,研修医の皆さまから専門医の先生方まで,幅広い読者が興味を持って読めるように,中山書店編集部の頼高誠氏の細かい助言を頂きながら作成したものである.また,本書の書名や装丁については,頼高氏にその決定を一任した.本書は,頼高氏なしでは世に出ることのなかったものであり,この場を借りて深謝申し上げる.

本書が,先生方の日常臨床に少しでも役に立つことがあれば,筆者にとって望外の幸福である.


2017年5月

東京大学腎臓内科学/内分泌病態学 教授 南学 正臣

目次

第1章 腎臓と腎臓病学

1 腎臓の進化

2 腎臓の解剖

3 糸球体の機能

4 尿細管の機能

5 腎臓の内分泌機能

6 対向流増幅系とは

7 さまざまな動物の腎臓の環境への適応

8 腎臓の老化

9 腎臓病とは

第2章 腎臓病の所見と検査

1 浮腫と脱水の診察

2 血尿をみたら何を考えるか

3 蛋白尿をみたら何を考えるか

4 尿細管障害マ一力-

5 尿沈渣の読み方

6 BUN / Cr とeGFR

7 免疫関係の検査

8 腎臓の画像診断

9 腎生検の適応と読み方

第3章 水・電解質と酸・塩基平衡の異常

1 高Na 血症

2 低Na 血症

3 高K 血症

4 低K 血症

5 Ca / P の代謝異常

6 尿崩症

7 血液ガスの読み方

8 代謝性アシドーシス

9 代謝性アルカローシス

第4章 糸球体腎炎とネフローゼ

1 急性糸球体腎炎

2 lgA 腎症

3 ネフローゼ

4 微小変化型

5 膜性腎症

6 巣状分節性糸球体硬化症

7 急速進行性糸球体腎炎

8 C 3 腎症

9 小児科から内科への移行

第5章 全身性疾患と腎臓病

1 糖尿病腎症

2 高血圧性腎硬化症

3 コレステロール塞栓症

4 痛風腎は存在するか?

5 ループス腎炎とその他の膠原病における腎障害

6 骨髄腫腎

7 アミロイドーシス

8 IgG 4 関連腎臓病

9 Onconephrology

第6章 遺伝性腎臓病

1 多発性囊胞腎

2 ネフロン癆

3 非典型溶血性尿毒症症候群

4 Fabry 病

5 Alport 症候群

6 Bartter 症候群とGitelman 症候群

7 腎性低尿酸血症

8 尿細管性アシドーシス

9 先天性腎尿路奇形症候群(CAKUT)

第7章 AKI(急性腎障害)

1 AKI と急性腎不全

2 診断基準と分類

3 原因と予後

4 敗血症とAKI

5 AKI の長期予後

6 AKI における他臓器障害

7 AKI の薬物療法

8 AKI における血液浄化療法のタイミング

9 バイオマーカーの有効性

第8章 CKD(慢性腎臓病)

1 CKD とは:診断基準とステージ分類

2 原因と予後

3 尿毒素

4 腎性貧血

5 CKD-MBD

6 むずむず足,足つり,皮膚瘙痒症

7 CKD 患者の生活指導と食事

8 CKD 患者の治療:血圧,血糖,脂質

9 CKD 患者診療における家庭医と専門医の連携

第9章 腎代替療法

1 腎代替療法開始のタイミング

2 血液透析

3 バスキュラーアクセス

4 腹膜透析

5 持続的腎代替療法(CRRT)

6 血漿交換

7 移植

8 腎臓の再生医療

9 腎代替療法の未来

第10 章薬物

1 腎機能を悪化させる薬物

2 腎機能低下時の薬物使用上の注意

3 腎臓病患者に対する降圧薬の使用法

4 腎臓病患者に対する糖尿病治療薬の使用法

5 腎臓病患者に対する脂質異常症の薬の使用法

6 利尿薬の使い方

7 ステロイド使用上の注意

8 造影剤腎症

9 漢方薬とサプリメント


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書籍情報

  • ISBN:9784521745244
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2017年5月
  • 電子版発売日:2018年6月8日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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