医療関係者のための Google & クラウド活用ガイド

  • ページ数 : 256頁
  • 書籍発行日 : 2013年8月
  • 電子版発売日 : 2013年8月20日
¥3,850(税込)
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商品情報

内容

2013年8月発売の新書
電子版も同時に発売開始!!

Gmailの取得から一歩進んだクラウドによる画期的な論文検索・管理術、Windows/MacとiPhone/スマホでスケジュールを連携する方法、クラウドによるファイル管理などなど、便利なクラウドサービスを紹介!

医療関係者のためにGoogleの各種サービスをはじめ、DropboxやEvernote、Mendeleyなど便利なクラウドサービスを厳選。迷っているあなたに導入の手助けをします!

序文

Googleの登場:大検索時代のはじまり


Googleが世に出てから10年あまり,本書の初版からまだ5年にすぎないが,私たちの情報を取り巻く環境は劇的ともいえる変化が進んでいる.今や,Googleという名前は知らなくても,ネットで検索という行為は,ごく日常的にありふれたものになっており,誰もが知らず知らずのうちにGoogleの恩恵を受けている.ネット以前の情報収集といえば,書籍が主たる情報元であり,探すといえば図書館でというのが普通であった.ところが今では,小学生の夏休みの研究でも,まずはGoogleである.

Googleがそれだけ利用されるようになったのは,ネットでの全文検索を実現したことによる.Google以前は,初期のYahooにみられたように「分類された情報を大分類から小分類へ項目をたどることで必要な情報を探し出す」という,図書館のバーチャル化であった.しかしながら情報の増加に分類が追いつくはずもなく,ネットよりもやはり図書館のほうが情報検索には有用であると思われ始めた矢先にGoogleが登場した.全文検索というのは,例えば,がん患者さんの睡眠障害について調べてみようと思い立った際に,すべての書籍のすべての文章を点検して,「がん」と「睡眠障害」という二つの言葉が書かれている書籍を選び出すという作業である.このような面倒なことは人力ではほぼ不可能だが,コンピュータにとっては分量が多いだけの単純な情報処理である.この全文検索の実現により,ネットの利便性が格段に向上した.分類をたどらなくても,直接,目的とする情報が表示されるようになったのである.

しかし,検索で示される情報の有用性と信頼性に疑問をもたれる方もあるだろう.検索の結果が医学的な内容なのか,単なる日記の一部なのかと.書籍の場合は,著者や出版社が内容についての責任を負う.有償で提供された情報には,対価に応じた責任と裏返しとしての信用が生まれる.一方ネットでは,内容を信用するかどうかは,基本的に自己責任である.表示された情報がそもそも他者の利用を想定していないことも十分にあり得るからである.Googleには,いろいろな指標を利用して,有用性と信頼性の高い検索結果を示す仕組みがあり,それがGoogleの検索が他の追随を許さないゆえんであるが,情報をみる目を養うのは基本的に利用者の責任である.情報リテラシー(利用技術)という言葉がよく聞かれるようになっている.ウィキペディアのような,ネットでの利用を想定して,信頼できる情報を提供しようという電子大百科事典の整備も進んでいるが,これとても基本は同じである.


情報処理の日常化:拡張する脳


検索が容易になったことで,必要とされる情報がいともたやすく手に入るようになった.コンピュータが世に出たとき,これまでの技術は身体機能を拡張したといわれるのに対し,それは脳の機能を拡張するといわれた.その言葉は,スマートフォンを用いてネットからいつでもどこでも容易に情報を引き出せるようになって,初めて実用的な意味をもつようになった.GoogleがAndroidOSの買収によって,スマートフォンに目を向けたのは,すべての情報を扱うという彼らの理念からは当然の帰結であろう.今や,ネットの検索はパソコンよりも,スマートフォンを使うことが多くなりつつある.さらにGoogle Glassといった眼鏡型の絶えず身に付ける情報端末の開発も進められており,検索するために機器を使うという感覚がますます薄れていくであろう.まさに脳の機能の拡張である.

「いつでもどこでも」は,「誰でも」につながる.本書は医療者を対象にしているが,当然,患者さんもネットを使う.薬品の作用や副作用についての患者さんの書き込みを読むと,医学書にない知見を得ることも少なくない.よく「医者が患者になって初めてわかったこと」といった表現がなされるが,ネットは患者さんの意見の宝庫である.副作用といった患者さんの主観が大きく関与する情報などは,患者団体が主体的積極的に関わることで,情報の集約や分析方法が今後様変わりするであろう.また,診察の場面で,患者さんがおもむろにスマートフォンの画面を示し,医師に質問することもまれではなくなった.これからの医療者は,患者さんやその家族の方が,その方の病気に関わる情報については,専門の医師よりも豊富なこともあると想定し,面食らうことなく対処する技能が求められる.ただ,知識と知恵が異なるように,単に知っているということだけでは情報は役に立たない.経験に裏打ちされた情報に対する深い理解は,医療者の果たす役割であり,知識を知恵として活用できるよう患者さんを導くべきであろう.


湧き上がる雲,雲,雲:クラウドの目指すもの


情報化は進み,今やクラウドコンピューティングの真っ盛りである.その先鞭をつけたのもやはりGoogleであり,Googleカレンダーはその好例である.職場と自宅,また外出先でのスマートフォンの利用と,いつでも同じカレンダー機能を利用してスケジュール管理ができるのはすこぶる使い勝手がよい.そして,コンピュータがネットワークに繋がっているといかに便利かに皆が気づき始めたときに登場したのがGoogleドキュメントであった.USBメモリに文書を入れて職場と自宅を行き来するよりも,書きかけの文書をどこでも開くことができるGoogleドキュメントのほうがはるかに便利である.このとき誰もがこう思った.「このままGoogleドキュメントの機能が向上すれば,コンピュータごとにWordやExcelなどのソフトウェアをインストールする必要はもうないのでないか」と.これがクラウドである.見上げた空にある雲を覗いてみると,必要なものがそこにある.世界中どこにいても,空を見上げれば雲の中に同じものがあるのである.このような考え方は,少し前は「World Wide Web」のウェブにちなんでウェブコンピューティングといわれていたが,ウェブはホームページのイメージが強いので,カレンダーならまだしもドキュメント編集などの昨今の機能の広がりを表現するのに適した新しい言葉が必要になった.雲は,「雲散霧消」などと日本人にははかないイメージであるが,欧米人には消え去るのものではなく,「雲が湧き上がると次には雷鳴が轟き,そして神様が登場」となる.ギリシャ神話や旧約聖書をテーマにした映画では恒例の場面である.日本人の感覚では,「お天道さまが見ている」に近い感じであろう.今のところ,Googleドキュメントで全てをこなせるまでには至っていないが,USBメモリは,Dropboxを代表とするオンラインストレージに取って代わられそうである.本書ではさまざまなクラウドコンピューティングアプリ(スマートフォンではソフトウェアのことをアプリケーションを略してアプリという)を紹介している.是非,実際に試してみて,パソコンからスマートフォン,タブレットコンピュータへと広がるクラウドの世界を体験していただきたい.Mendeleyのような,なるほどこのようなサービスの提供の仕方もあるのか,といったアプリもあり,クラウドの広がりを感じていただけることと思う.


ネットで提供されるサービスは飛躍的に増えている.もはやネットは単なる通信インフラではなく,情報処理サービスそのものになりつつある.その一方で,ネットを使って実現可能なことが増えるにつれ,情報を管理し統合する技術の向上も必要とされる.本書が,皆さんの情報活用技術の向上に少しでも役立てば幸甚である.


2013年 7月

村瀬 澄夫

目次

はじめに

1 GoogleアカウントとGmailの使い方

●Googleアカウント

Googleアカウント

アカウントの取得方法

●Gmailを使う

Gmailの特徴

Gmailの起動

Gmailを使ってみる

連絡先のインポート

新しいGmailレイアウトを使う

スマートフォン・タブレットからGmailを使う

●複数のメールをGmailで管理する

複数のメールをGmailで管理する

メールをラベルで整理する

●PCでGmailを管理する

PCでもGmailを管理する意味

Windows7での設定方法

メールを送信する場合

●GmailからのToDoリストの活用

Gmail,ToDoリスト,メモの相互利用,活用

メールからToDoをつくる.

ToDoリストからつくる

●Gmailを便利に使う

オフラインで使う

プレビュー画面で簡単に!

便利なGmail Labs

2 Google&スマホで情報収集

●Google Chromeを使う

Google Chromeとは

Google ChromeをPCにインストールする

Google Chromeの設定

他の端末にGoogle Chromeをインストール

Useful Tips AndroidアプリはPCからダウンロードする

●Google Chromeを便利に使う

Google Chromeを便利に使うためのツール

アプリ・機能拡張の探し方

Google Chromeでプリントする

●アプリ・機能拡張の管理

機能拡張を管理する

機能拡張を機能停止にする

機能拡張を削除する

アプリを削除する

●Google検索のABC

Google検索の基本

基本の検索

AND検索:キーワードを増やして絞り込む

OR検索(もしくは検索)

完全一致検索:特定のフレーズは""で囲む

●Google検索を便利にする数式

除外検索:マイナスをつけて

もしかして検索:うろ覚えでも検索

ワイルドカード検索:単語の一部しか浮かばなくても

ファイルタイプを指定して検索

意味を調べる

Wikipediaを調べたい場合

●検索ツールを効果的に使う

検索対象期間を指定する

ウェブページのタイプを指定する

知ってると便利な検索Tips

検索のまとめ

●Googleマップと経路検索

Googleで経路を検索する

マイプレイスを登録する

スマートフォン版Google Mapsを使う

スターをつける

経路を保存・共有する

3 論文検索&管理

●論文検索

PubMedとGoogleの関係

Googleでの論文検索

PubMedとGoogle Scholarのどちらがよいか?

●PubMedとGoogle

PubMedをGoogleアカウントで操る

My NCBIを操る―論文検索の効率化

PubMed関連の他のサービス

●PubMedをモバイルで

PubMed Mobile

論文検索アプリ

Useful Tips PubMedの新しい読み方

●Mendeley─論文を管理する

Mendeleyとは

MendeleyをPCで使う

Mendeley Desktopに論文を登録する

Mendeleyとクラウドの連携

Mendeleyから引用文献としてペーストする

iOS(iPhone/iPad)で使う

オンラインリンクからMendeleyを使う

●readcube─文献管理の注目株

readcubeとは

readcubeデスクトップを導入しよう

readcubeでの論文検索

Nature Publishing Groupのジャーナルからインポートする

readcubeで論文管理,出力はMendeleyで

●Google翻訳機能を使う

翻訳サービス

Google翻訳

英辞郎翻訳を使う

Yahoo!翻訳

Excite翻訳を使う

Bing翻訳を使う

Useful Tips Google日本語入力

4 スケジュール管理

●Googleカレンダー

Googleカレンダーとは

Googleカレンダーに予定を登録する

Googleカレンダーを共有する,活用する

リマインダー機能で予定を忘れない!

予定に資料を添付しておく

●スケジュールのスマートフォンとの連携

Googleカレンダーをスマートフォンで使う

iPhone(iPad)にGoogleカレンダーをWebアプリとして追加

標準カレンダーにGoogleカレンダーを登録する

AndroidにGoogleカレンダーWebアプリを追加

Useful Tips 無料アプリと有料アプリ

●ToDoリストの活用─チェックリストで忘れない

ToDoリストとは

Googleカレンダー内のToDoリストの使い方

Gmail内でのToDoリストの使い方

●スマートフォンからToDoリストを管理する

5 Googleドライブ

●Googleドライブのインストール

Googleドライブとは

Googleドライブの特徴

Googleドライブを使う

GoogleドライブをPCにインストールする

●Googleドライブを使う

ドキュメントファイルをアップロードする

アップロードの設定

共有フォルダで,他の人と共有する

●ドキュメントを編集する

Googleドキュメント

Microsoft OfficeのファイルをGoogleドライブで開く

Googleドライブで新規にドキュメントを作成する

GoogleドキュメントをPCで再編集する

万が一のときのプレゼンテーション

ファイルの削除

●スマホ・タブレットでGoogleドライブを使う

iPhone・iPadでGoogleドライブを使う

AndroidでGoogleドライブを使う

6 クラウドストレージの利用

●クラウドサービスについて

クラウドサービス

クラウドサービスの種類

クラウドサービス利用の注意点

クラウドサービスの利用は便利だが,ほどほどに・・・

Useful Tips iCloud(https://www.icloud.com/)

●DropBox

Dropboxの特徴

Dropboxを使う

Dropboxを共有する

スマホでDropboxを使う

●Evernote

Evernoteについて

Everenoteを導入する

Everenoteに記憶する

Webクリッパー

Evernoteの便利な機能

編集する,利用する

Web上でEvernoteを利用する

個人設定と使用量の確認

スマートフォン・タブレットでEvernoteを使う

Useful Tips スマホで撮影した文書を文字に変換する

●SkyDrive

SkyDriveとは

Microsoftアカウントを取得する

SkyDriveをインストールする

SkyDriveを使う

スマートフォン,タブレットでSkyDriveを使う

Useful Tips Outlook.comでメールを管理する

●SugarSync

SugarSyncとは

SugarSyncに登録する

SugarSyncを使う

共有する

スマートフォンでSugarSyncを使う

誤って削除したファイルの復元

●Yahoo!ボックス

Yahoo!ボックスとは

Yahoo!ボックスを使う

●Amazon Cloud Drive

Amazon Cloud Driveとは

Amazon Cloud Driveを使う

7 SNSやYouTubeの活用

●SNSでできること

Social Network Serviceとは

Twitter

Facebook

●Twitterを使う

Twitterを使ってみる

もっと簡単にTwitterを確認する

一時的に話題の流れを閲覧する

ジャーナルのホームページからTwitterアカウントをフォローする

●Facebookを使う

Facebookの特徴

Facebookを使う

Facebookの利用・活用法

●YouTube

YouTubeとは

YouTubeにログインする

チャンネルを登録する

動画を再生リストに登録する

Appendix

●トラブルシューティング

データの混乱に注意

アプリ不具合による書類紛失・非表示

スマホ・タブレットの紛失対策

プライバシー

炎上を回避する

著作権には注意しよう

おわりに

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対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:186.7MB以上(インストール時:405.9MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:746.8MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:38.3MB以上(インストール時:95.7MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:153.2MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784521737706
  • ページ数:256頁
  • 書籍発行日:2013年8月
  • 電子版発売日:2013年8月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。