査読者が教える 採用される医学論文の書き方

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2013年5月
  • 電子版発売日 : 2014年6月13日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

「査読者の視点で捉え直す」という観点から、医学論文の書き方を指南。第I部でよい論文の書き方の基本をわかりやすく解説し、第II部の論文Before & Afterでは、実際の第一稿を使ってダメ論文を容赦なく添削し、アクセプトされるに至った最終論文と比較する。小手先の技だけにとらわれない医学論文の書き方の王道を伝授する。

序文

はじめに─本書の目的

この本を手にされた方の多くは何らかの形で論文を書かれていると思います.その中で,多くの皆さんは,おそらく論文の書き方をフォーマルに学んだことはないのではないかと思います.これまで,論文を書かれたことのある皆さんは「他人の論文を読んだり」「先輩のドラフトを見せてもらったり」して学んだというのがほとんどではないでしょうか.

筆者は,日常的に臨床研究者,特に「若手」や論文を書くのが「初めての人」の論文をチェックする機会が多くあります.そうして論文をチェックしていると,初めて論文を書く人に共通の,ある一定のパターンがあることに気づきました.それらをまとめることで,これから論文を書こうとする皆さんにとって便利なのではないかと考え,今回1 冊の本にしました.


アメリカ心臓病学会誌JACC(Journal of the American College of Cardiology)のDeMaria 編集長は以下のように述べています.


"A poor presentation can sink a good study, I do not think an excellentpresentation can rescue one that is fatally flawed."「発表が稚拙だと,よくできた研究であってもきちんと評価されない.だからといって,素晴らしい発表で根本的にダメな研究を救ったりはできない」また,"The preparation of the manuscript begins with the planning of the project."「論文執筆の準備は研究を計画する段階から始まっている」(DeMaria AN:How do I get a paper accepted? J Am Coll Cardiol 2007;49:1666-7)


まさにそのとおりです.これは一流雑誌の編集長が,編集者の視点から発言した貴重な言葉であると言えます.論文を書く人は,得てして「書く側の論理」で執筆しがちです.そして残念ながら不採用になることが多いのです.

本書は,厳しい言葉で言うと「自分流の論文」を書いてきた研究者に「編集者もしくは査読者の視点」を与えるための指南書です.

本書を読んで,査読者の視点をもち採用される論文の執筆の仕方を身につけてほしいと願っています.


2013年 3月

森本 剛

目次


はじめに ― 本書の目的

本書の利用法

第Ⅰ部 採用される論文の書き方

1章 論文執筆の前提

1.1 前提

1.1.1 論文執筆は臨床研究成功の最終作業

1.1.2 読者,査読者,編集者は,素早く読みたい

1.1.3 書き慣れた人,臨床医に手伝ってもらう

1.1.4 細かいところまで気を配る

1.1.5 何度も推敲する

1.2 論文の構造

1.2.1 本来あるべき論文の構造とよくある論文の構造

1.2.2 論文を料理にたとえると

1.3 さあ書き始めよう

1.3.1 いつ書き始めるか?

1.3.2 似たテーマの最近の論文を2~3本読む

1.3.3 まわりに「論文を書くこと」を宣言する

2章 論文の構成と書き方

2.1 論文の構成要素と執筆順序

2.2 Table(表)とFigure(図)

2.2.1 Tableのつくり方

2.2.2 Figureのつくり方

2.2.3 Table vs. Figure

2.2.4 Study Flowchart

2.3 Methods(方法)

2.3.1 Methodsに書くこと

2.3.2 スポンサー情報と役割

2.4 Results(結果)

2.4.1 Methodsとパラレルな構成

2.4.2 Resultsに引用は御法度

2.4.3 TableとFigureをできるだけ用いる

2.4.4 対象患者背景

2.4.5 エンドポイントの頻度

2.4.6 解析結果

2.5 統計指標

2.5.1 平均値 vs.中央値

2.5.2 %には件数・分母も併記

2.5.3 効果[信頼区間] > p値

2.5.4 NSはNot Smart?

2.5.5 多重性の問題

2.5.6 サブグループ解析と多変量解析は要注意

2.6 Abstract(抄録)

2.6.1 キーワードをちりばめる

2.6.2 具体的な数字を出す

2.6.3 Methodsの分量 >> Conclusionの分量

2.7 Introduction(緒言)

2.7.1 Discussionと整合性を持たせる

2.7.2 書き出しが大事

2.7.3 簡潔にまとめる

2.8 Discussion(考察)

2.8.1 分量は Methods > Results > Discussion

2.8.2 過去の研究と比較し,影響や解釈をまとめる

2.8.3 Limitation(研究の限界)

2.8.4 Conclusion(結語)

2.9 Reference(引用)

2.10 Acknowledgement(謝辞)

2.11 Conflict of Interest(利益相反)

2.12 Title(表題)

3章 文章構成

3.1 基本的な文章構成

3.2 センテンスとパラグラフ

3.3 日本人研究者の論文の特徴

3.4 英語の掟

3.5 英語のtips

3.5.1 能動態で表現する

3.5.2 短い句で書く

3.5.3 大事なことは最後に

4章 投稿と査読

4.1 Authorship(著者の資格)

4.2 投稿先(ターゲットジャーナル)の決定

4.3 投稿の仕方

4.4 "Not acceptable for publication in its present form... "はチャンス!

4.5 "Statistical Reviewer"はビッグチャンス!

4.6 Rejection(却下)となったら

4.7 Rejectionだが姉妹誌に推薦されたら

4.8 査読者が困る論文

4.9 書き方に関する論文のRejection(却下)理由

4.9.1 査読者からの却下理由

4.9.2 編集者からの却下理由

第Ⅱ部 論文ビフォーアフター

1編 不必要な言葉はいらない/同じ意味の言葉は続けない/用語は統一する

2編 方法はMethodsへ/結果はResultsへ/解釈はDiscussionへ

3編 受動態より能動態を使う/%は分子分母も併記する

4編 表現は明確に/結論は結果から導き出される主たるメッセージ

5編 「何を言いたいのか」が不明な記述をしない/具体的な数字を入れる

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書籍情報

  • ISBN:9784521737010
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2013年5月
  • 電子版発売日:2014年6月13日
  • 判:菊版
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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