神経内科Clinical Questions & Pearls 運動ニューロン疾患

鈴木 則宏 (シリーズ監修) / 青木 正志 (編集) / 中外医学社

  • ページ数 : 352頁
  • 書籍発行日 : 2017年9月
  • 電子版発売日 : 2018年3月16日
¥6,820(税込)
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商品情報

内容

シリーズ第5弾ではALSなどの診断・治療のスキルを高めてくれるエキスパートの知見を大公開!

神経内科医であれば自信を持って対応したいALS診療。臨床上の疑問に答える形式で、ガイドラインには書いていない内容を含めてエビデンスよりエキスパートオピニオンを集めた内容となっています。

神経内科Clinical Questions & Pearlsシリーズ

序文

神経内科医であれば,是非,筋萎縮性側索硬化症(ALS)に自信を持って対応できる力量を備えて欲しいと思いますが,ALS の臨床は難しいと思います.どの疾患も簡単ではないかも知れませんが,ALS の臨床が難しい理由はいくつかあると思います.1 つめは神経内科医であればだれでも診療に携わる疾患でありながら,頻度はそれ程高くはなく,さらには臨床型や経過に大きなばらつきがあることです.言い換えれば,一部の専門機関でなければ,一度に多くの,さらにはさまざまな臨床経過の患者さんを担当することができない疾患だと思います.2 つめは,診断の難しさとその病気の進行の速さから,最初に診断をする病院と,その後の療養を支援する医療機関が役割分担をせざるを得ない状況があります.たとえ,診断から療養支援まで行うことができる医療機関であっても,病気の進行により地域の医療機関との連携が必要になることがほとんどです.さらには患者さんが地域で生活をするためにはボランティアや福祉関係者を含めたさまざまな職種との連携も必要になります.

現在の臨床研修システムでは多くの若手医師は,急性期病院で研修を行うことになりますが,そこでALS と診断された患者さんが,2~3 年の経過をかけてどのように病気が進行し,またどのように病気を理解して,生活をしていくのかを主治医として一緒に経験しないうちには,この病気の患者さんへの説明は難しいと云わざるを得ません.

本書では臨床上の疑問に答える形で,ガイドラインには書いていない内容を含めて,エビデンスよりもエキスパートオピニオンを集めた内容になっています.ALS のような希少疾患は診療においてエビデンスレベルが高いものはごく一部であり,その他のほとんどは患者さんをみている専門家の意見を参考にしていただくのが良いと思います.さらには実際の患者さんの診療に際しては,患者さんや家族,支援者の意見を丁寧に聞き,看護師さんや保健師さん,地域の担当の先生など多くの人と相談をして進めてもらうことが大切だと思います.

最後になりましたが,本書の作成にあたり多くの関係者に協力をいただきました.この場を借りて感謝申し上げます.


2017年8月吉日

東北大学大学院医学系研究科神経内科学教授
青木 正志

目次

I 病型,病態,病因,経過(予後)

1 ALSの自然歴,予後予測因子はどのようにわかっていますか?

2 発症が多い集積地はありますか?

3 孤発性ALSの病因・病態はどこまでわかっていますか?

4 SBMAの病態はどこまでわかっていますか?

5 ‌脊髄性筋萎縮症(SMA)の病態はどこまでわかっていますか?また成人発症のSMAは存在しますか?

6 ALSは単一疾患ですか,どのような亜型が存在しますか?(予後を含む)

7 傍腫瘍性の運動ニューロン疾患は存在しますか?

8 プリオン仮説とはどのようなものですか?

9 多系統タンパク質症とはどういった疾患概念ですか?

II 診断,遺伝学的検査

1 ‌ALSの診断にどのくらい時間を要しますか?診断基準をどのように用いますか?

2 ALSの原因遺伝子にはどのようなものがありますか?本邦と欧米で異なりますか?

3 遺伝学的検査はどのように行いますか?

4 ALS mimicの鑑別はどのように行いますか?

5 ALS mimics:封入体筋炎との鑑別診断

III 検査,機能評価

1 運動ニューロン疾患で重要な機能評価はどのようなものですか?

2 ‌電気生理学的検査はどのように行いますか?(針筋電図,伝導検査,RNS,経頭蓋電気刺激検査を含む)

3 前頭側頭型認知症の認知機能評価はどのように行いますか?

4 診断や進行の目安となるバイオマーカーはありますか?(画像,血液・脳脊髄液など)

IV 治療,治験,将来的治療

1 運動ニューロン疾患の薬物治療にはどのようなものがありますか?

2 在宅療養の現状はどのようになっていますか?

3 国内外の治験にどのように参加できますか?(患者として)

4 ロボットスーツHALは運動ニューロン疾患に有効ですか?

5 iPS細胞を用いた研究や細胞移植療法はどのように行われていますか?

6 運動ニューロン疾患に対する核酸医療は将来どうなりますか?

V リハビリテーション・代替コミュニケーション

1 ‌ALSに対してどのようなリハビリテーションがあり,どの程度が適切ですか?

2 ALS患者の排痰補助として,どのような方法が有用ですか?

3 代替コミュニケーション機器はいつ,どのように導入しますか?

4 ‌ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)開発はどこまで進んでいますか?

VI 栄養管理,経管栄養

1 運動ニューロン疾患の嚥下機能をどのように評価しますか?

2 ‌栄養評価をどのように行い,胃瘻造設のタイミングをどのように決めますか?

3 胃瘻造設困難/希望されない場合の栄養管理はどうしますか?

4 胃瘻・腸瘻・食道瘻のメリット・デメリットはどのようなものですか?

5 経腸栄養の管理をどのように行いますか?

VII 呼吸管理,緩和ケア

1 気管切開・呼吸器導入のタイミングをそれぞれどのように決めますか?

2 筋萎縮性側索硬化症に対してNIVを使用することはありますか?

3 ‌TIV導入の際にどのような説明をするのが適切ですか?

4 呼吸困難にはどのように対応しますか?

5 ‌疼痛にはどのようなものがあり,どのように対応しますか?(強オピオイド使用法を含む)

case approach オピオイド使用による緩和ケアの実際

VIII 告知,その他

1 ALS 病気の告知について

2 前頭側頭型認知症の告知をどのように行いますか?

3 利用できる社会資源にはどのようなものがありますか?(適切な申請タイミングを含む)

4 遺伝カウンセリングはどのようなものですか?

5 多職種連携チームをどのように組織しますか?その有用性はどのようなものですか?

6 患者・家族に対してどのように支援するのが適切ですか?


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書籍情報

  • ISBN:9784498228887
  • ページ数:352頁
  • 書籍発行日:2017年9月
  • 電子版発売日:2018年3月16日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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