消化器がん化学療法ハンドブック

  • ページ数 : 226頁
  • 書籍発行日 : 2011年7月
  • 電子版発売日 : 2011年12月23日
¥3,740(税込)
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商品情報

内容

消化器がんについて最新のEBMをコンパクトにまとめ、各ガイドラインを踏まえた推奨レジメンを具体的に提示。医師、看護師、薬剤師など消化器がんのチーム医療に携わるスタッフ必携の書「消化器がん化学療法ハンドブック」が電子書籍版になりました。
電子書籍版では、目次・索引リンク、今日の治療薬や南山堂医学大辞典へのリンク参照、串刺し検索、PubMedリンクなど電子ならではの機能で、より詳しく参照することができます。

序文

わが国において,1981年に悪性新生物,つまりがんが死亡の原因の第一位となって以来,その死亡数は右肩上がりに増加し,現在,国民の3人に1人ががんで亡くなっている.がんの克服は国民の健康に関する最も大きな課題である.2007年,がん対策基本法が施行され,「がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切ながんに係る医療を受けることができるようにする」,「がん患者の置かれている状況に応じ,本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する」と謳われている.これらの目的の達成のため,各都道府県にがん診療拠点病院が設置され,がん診療の体制の整備が進められ,一歩ずつではあるが,目標に向かって進んでいる感がある.

がん治療,特に固形がんでは,完全に病変を取り除くことが基本的な治療戦略である.しかし,すべての例で切除手術を適応することは難しく,多くの患者は放射線療法や化学療法の非切除治療を受けることになる.これらの切除,放射線療法,化学療法の3つの治療手段ががんの3大治療であり,近年それぞれが大きく進歩し,治療成績は向上してきている.そのなかで,新しい薬剤の登場は化学療法自体の治療成績の向上だけでなく,切除手術との併用など治療適応の拡大,安全管理システムの整備,未承認薬・適応外薬などドラッグラグ,医療コスト,個別化治療,等々多くの課題や問題も浮き彫りになってきた.いまや,がん治療に携わる内科医は,単に薬剤を投与するだけのがん化学療法施行医から,がん治療の包括的マネージメントが求められるようになってきている.

わが国の悪性腫瘍において,食道から胃,大腸の消化管がんと肝,胆道,膵がんを合わせると毎年約33万人が新たに診断されており,悪性腫瘍の48%を占めている.つまり,がん対策基本法にある目標の達成には,消化器がんは最も大きな力を注がなければならない領域である.そして,今回,消化器がんに絞った化学療法の実用書である「消化器がん化学療法ハンドブック」を新たに出版することになった.本書は上記のがん治療の課題を踏まえ,実際の臨床現場で働く医師,薬剤師,看護師を対象に,がん化学療法の実践の解説書だけに留まらず,包括的ながん化学療法に関するハンドブックを目指した.総論では基礎知識からがん治療の緊急対応(oncologic emergency),基本的な副作用対策,肝炎ウイルス感染への対応,医療コスト,緩和ケアやサイコオンコロジー,がん相談支援まで言及した.各論では最新のエビデンスと実際のレジメンの解説を載せた.

本書の作成に当たっては,消化器がんのみならず,広い分野で多くの専門の先生に執筆いただいた.本書ががん化学療法に携わる多くの医療関係者にとって,知識の整理と実際の診療での助けとなれば,我々本書の作成に携わった者みんなの望外の喜びである.


2011年 7月

杏林大学医学部内科学腫瘍内科教授
古瀬 純司

目次

総論

1.がん化学療法の基礎知識

1.がん化学療法の目的と役割

2.化学療法の適応

3.化学療法の効果判定と治療継続

4.化学療法の安全管理

2.Oncologic Emergencies

1.インフュージョンリアクション(過敏性反応)

2.脊髄圧迫(spinal cord compression)

3.高カルシウム血症

4.SIADH(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone)

5.発熱性好中球減少症

6.上大静脈症候群/気道狭窄

7.肺塞栓症・深部静脈血栓症

3.化学療法に伴う有害事象対策

A.骨髄抑制

1.白血球・好中球減少

2.血小板減少

3.貧血(ヘモグロビン減少)

B.非血液毒性

多くの抗がん剤に共通して発現する副作用

1.消化器症状

2.皮膚症状

3.アレルギー反応

4.臓器障害

5.その他の副作用

4.消化器がんの合併症対策

1.消化管閉塞・狭窄

2.消化管穿孔

3.胆道閉塞

4.消化管出血

5.腹腔内出血

5.肝炎ウイルスの再活性化に対する対応

1.B型肝炎の自然経過とHBV再活性化の臨床経過

2.がん化学療法によるHBV再活性化のリスク分類と関連するリスク因子

3.がん化学療法・免疫抑制療法中のHBV再活性化対策

4.がん化学療法中のC型肝炎ウイルス再活性化への対策

6.腫瘍随伴症候群

1.概要

2.内分泌系

3.神経系

4.皮膚・筋骨格系

5.血液系

7.骨転移に対する治療方針

1.消化器がんにおける骨転移

2.消化器がんにおける骨転移の診断

3.骨転移の治療適応,目的

4.骨転移の治療

原発病変に応じた骨転移病変に対する治療対応

8.がん疼痛治療の実際

1.がん性疼痛とは

2.評価方法

3.治療

4.がん性腹膜炎に伴う症状

5.レスキューのコツ

6.投与経路による効果の違い

7.緩和ケアにおけるステロイドの効用

8.化学療法・神経障害によるしびれの対処

9.がん治療における精神的ケアと薬物療法

1.がん患者に頻度の高い精神症状

2.適応障害

3.うつ病

4.せん妄

5.予期性悪心・嘔吐

10.医療費と高額医療の手続き

1.医療費

2.高額療養費制度

11.化学療法を受ける患者家族の相談対応と心理的サポート―意思決定の支援―

1.意思決定の場面と支援の必要性

2.意思決定に必要な支援

3.患者家族が活用できる社会資源

4.患者同士の支えあいの場

各論

1.食道がん(扁平上皮がん)

1.概要

2.推奨レジメン

2.胃がんの化学療法

1.概要

2.推奨レジメン

3.治癒切除不能・再発大腸がん

1.総説

2.標準的なレジメン

4.大腸がん術後補助化学療法

1.総説

2.標準的なレジメン

5.肝がん(全身化学療法・肝動注化学療法)

1.概要

2.推奨レジメン

6.胆道がん

総説

1.胆道がんについて

2.疫学について

3.胆道がんに対する標準化学療法

4.ゲムシタビン+シスプラチン併用療法以外の細胞傷害性薬剤

5.胆道がんに対する分子標的治療薬の開発

各論

1.概要

2.推奨レジメン

7.膵がん

1.概要

2.推奨レジメン

8.消化管膵神経内分泌腫瘍

1.全身化学療法

2.分子標的薬

3.ソマトスタチンアナログ(SA)療法

9.GIST(gastrointestinal stromal tumor)

1.総説

2.標準的なレジメン

10.十二指腸がん

1.概要

2.推奨レジメン

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498140288
  • ページ数:226頁
  • 書籍発行日:2011年7月
  • 電子版発売日:2011年12月23日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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