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ここが知りたい 重症心不全の患者さんが来ました

北風 政史 (編著)

株式会社 中外医学社

564 頁  (2016年9月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

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リリース日: 2016年12月16日

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さあ、どうする?

重症心不全の患者さんがERに運び込まれた! そのファーストタッチから病態をどう考え、診断と根本的治療を行うか。 図書館に走る暇はない!治療の経過?変更と継続、退院へ向けての方策まで 心不全診療に精通する1冊。

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日常診療において重症心不全症例に遭遇,診療する機会は,今後ますます増えてくることが予想されるが,病態の理解や,診療における具体的なスキルやノウハウを学ぶ機会は決して多いとはいえない.そこで本書は,臨床の第一線で活躍する各領域のエキスパートたちが,これまでの豊富な症例や経験を元に重症心不全に対するファーストタッチから診断,根本治療から退院までをどのように行うべきかを解説.現場で役立つ実践的なマニュアル


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緒言

物事を習得するには2 つの異なった方法論があります.一つは,オーソ ドックスに,基礎から順番に「知識・理解と実践」を積み上げていき100点満点に到達するというやり方です.ほとんどの学問の学習ステップはこの方式を採用しています.しかも,1 から10 まで進んだら,また,5 に戻って5 から15 まで進めていくという"しゃくとり虫"のような方法論が小学校から高校までの学習のパターンです.実際,日本史や世界史は,社会科として小学校でも中学でも高校でも習いますが,少しずつその内容が詳しくなっていきます.このような確実・堅実な方法論で,私を含め多くの方がいろいろなスキルを習得してきたはずです.数学の証明法にたとえると「帰納法」のようなものです.これは学問の習得だけでなく,野球でもテニスでもゴルフでも同じです.何でも"基礎が肝心"だ,ということで素振り,ボレーキック,ドライバーの練習を飽きるほどやるわけです.飽きるほど基礎練習をした後に,やっと練習試合に出してもらえますが,本番の試合出場まではかなりの時間がかかります.

ところが,この方法とは真逆で,基礎がある程度身についたら,すぐに トップレベルの応用問題を解かせる方法も存在します.つまり10 点ぐらいとれる力がついたら100 点レベルの超難問を解きにかかり,その正解を得るステップでその分野で必要なものを逐次習得していくというパターンです.こんな方法論が成り立つはずがないと思っていたのですが,実は私どもの最も身近にある臨床医学では,医学生が医師免許を持ったとたんに,あたかも「中学生に対して,大学入試レベルの数学の問題を解くことを要求する」ような教育・研修パターンがよく見受けられます.私も,医師になりたてのころ,90 歳超えた重症肺炎の症例を受け持ち,毎日抗生物質の勉強をしていると,その非常に狭い分野では,オーベンの先生より豊富な知識を自然と有することになっていました.次いで受け持ったのがウイルス性心筋炎の症例でしたが,毎日泊まり込んでその症例に当たっていると,重症心不全の診断と治療が自然と身についてくるわけです.そして,重症心不全がうまく診られるようになると,その基礎編だった軽症・中等症心不全は何に気をつければ重症化しないかということがおのずからわかってきます.数学の証明にたとえれば,さしづめ「演繹法」でしょうか?

この後者の方法論こそがまさしく本書が目指すところです.本書は,通常よく遭遇する軽度・中等度の心不全の診断・治療の習得をめざす医療関係者が,①日ごろはあまり出会わない重症心不全症例のER でのファーストタッチ,②その病態をどう考えるかという課題に対して医局の先輩や図書館の論文からの知識習得,③それを病棟で待ち受ける患者さんの診断にいかし,④そこから始める根本的な治療の開始,⑤治療の変更と継続,⑥そして退院へ向けての方策と,その一連の重症心不全の症例の診断と治療の流れをあたかもご自分が主治医になったかのように疑似体験できる仕組みになっています.ですから,一度本書を通読すれば,重症心不全のみならず,すべての心不全に精通することができるようになります.「大は小を兼ねる」よろしく,さしずめ「重は軽を兼ねる」というところしょうか? もちろん,心不全の基礎はすでに十分習得された若手─中堅の先生がたは,ご自分の知識の確認と,ご自分の知識と技量で不足している点については,本書をつまみ食いすることにより補充していただければと思います.また,心不全の治療は医師だけではできません.ハートチームとして,医療関係者みんなで当たっていかなくてはいけません.このため,医師だけでなく,看護師,薬剤師,検査技師の皆様方も,皆様方が出会われる心不全への理解を深めるために,共通の心不全に対するプラットホームを確立するために,ぜひ,本書を通読することをおすすめいたします.

本書は,循環器領域に従事する一流の医師・研究者により執筆されております.つまり,現時点での最高の重症心不全の教科書といえるかと思います.本書は,これから重症心不全の方々と向かい合おうとする医師・医療関係者はもちろん,軽症な心不全の症例は診ることはあっても重症心不全は今おられる医療機関では診ることの少ない医師・医療関係者に対しても,ご一読願いたいと考えています.本書が少しでも皆様方の日常診療のお役に立てれば編者として大いなる喜びとするところです.

平成28 年 盛夏

北風政史


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第1章 重症心不全症例のファーストタッチ

1.臨床症状から〈大原貴裕〉

2.胸部X線写真,心電図〈長谷川拓也〉

3.血液検査から〈瀬口 理〉

4.心エコーから〈神崎秀明〉

5.スワンガンツを入れる判断〈高濱博幸〉

6.初期治療のトリアージ〈本田泰之 永井利幸〉

7.重症心不全症例−DCM症例からの検討〈玉置俊介 山田貴久 福並正剛〉

8.重症心不全症例−AMI症例からの検討〈斎田 天 石原正治〉

9.重症心不全症例−急性(劇症型)心筋炎からの検討〈中島誠子〉

第2章 重症心不全症例のセカンドステージ

1.血液・生化学的検査〈佐々木英之〉

2.カテーテル検査〈佐々木英之〉

3.心筋生検〈中嶋絢子 植田初江〉

4.運動負荷試験〈岡田健一郎〉

5.心臓核医学〈木曽啓祐〉

第3章 重症心不全の病態とその評価

1.生理学的観点から〈堀田幸造 佐藤幸人〉

2.神経体液因子と心不全の病態との関わり〈藤木伸也 小幡裕明 南野 徹〉

3.形態学から〈山内洋平 石坂信和〉

4.Nohria-Stevenson分類から〈橋村一彦〉

5.Forrester分類から〈橋村一彦〉

第4章 重症心不全の病態の理解

1.ショック〈安村良男〉

2.急性心不全−虚血性・非虚血性〈佐藤直樹〉

3.慢性心不全の増悪〈絹川真太郎〉

4.左心不全〈谷口逹典 坂田泰史〉

5.HFrEF〈猪又孝元〉

6.HFpEF〈橋村一彦〉

7.右心不全〈杉原志伸 山本一博〉

第5章 重症期を脱する重症心不全治療

1.利尿薬〈森澤大祐 廣谷信一 増山 理〉

2.PDE3型阻害薬〈大原貴裕〉

3.ドパミン,ドブタミン,カテコラミン〈高濱博幸〉

4.hANP:カルペリチド〈朝倉正紀〉

5.血管拡張薬〈濱谷康弘 天木 誠〉

6.呼吸補助療法〈菅野康夫〉

7.IABP〈木岡秀隆〉

8.PCPS〈花谷彰久 葭山 稔〉

9.VAD〈黒田健輔 瀬口 理〉

10.外科的治療〈藤田知之 小林順二郎〉

11.心臓移植〈瀬口 理〉

第6章 重症心不全を合併症から考える

1.腎不全が併発しているとき〈安村良男〉

2.肺高血圧症を併発しているとき〈佐藤直樹〉

3.電撃性肺水腫を併発しているとき〈川上将司〉

4.心房細動を合併する重症心不全〈丸山将広 野田 崇 草野研吾〉

5.心室頻拍を合併する心不全〈丸山将広 野田 崇 草野研吾〉

6.虚血性心疾患を併発しているとき〈田巻庸道 中川義久〉

7.高血圧を合併しているとき〈安村良男〉

第7章 原因疾患を治療する

1.拡張型心筋症〈高濱博幸〉

2.肥大型心筋症〈筒井裕之〉

3.大動脈弁疾患〈高潮征爾〉

4.僧帽弁逆流症〈濱谷康弘 天木 誠〉

5.三尖弁疾患〈福井重文〉

6.頻脈性および徐脈性心不全〈藤野剛雄 井手友美〉

第8章 退院まで持って行く重症心不全治療

1.VADのweaning〈瀬口 理〉

2.IABP,PCPSのweaning〈瀬口 理〉

3.強心薬のweaning〈安村良男〉

4.β遮断薬〈安村良男〉

5.RAS阻害薬〈川田啓之 斎藤能彦〉

6.アルドステロン拮抗薬〈松本賢亮 平田健一〉

7.CRT/CRTD〈神崎秀明〉

8.植込型LVADの在宅療法〈岡田憲広 瀬口 理〉

9.心不全のリハビリテーション〈伊東春樹〉

第9章 再発予防のために

1.薬物療法〈浅沼博司 北風政史〉

2.生活習慣に対応する〈浅沼博司 北風政史〉

3.心房細動に対応する〈堀江 稔〉

4.呼吸不全・夜間無呼吸に対応する〈佐田 誠〉

5.貧血に対応する〈渡邉雅貴〉

6.腎不全に対応する〈猪阪善隆〉

7.糖尿病に対応する〈安斉俊久〉

8.冠動脈疾患に対応する〈川上将司 野口暉夫〉

第10章 重症心不全克服の将来像

1.薬物療法〈鈴木 誠 矢川真弓子 友池仁暢〉

2.外科的療法〈秦 広樹 小林順二郎〉

3.非薬物療法〈武輪能明〉

4.ビッグデータ〈興梠貴英〉

5.数理化〈中野 敦〉

6.遺伝子〈朝野仁裕〉

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクは現在AndroidOSには未対応となっております。何卒ご了承下さいませ。

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お客さまからの声 

★★★★★ 製品アンケートより
投稿者:匿名 (2018年2月 9日 14:29)

「重症を知ることで軽症の未来を予測できるようになる」というのが、当たり前のように聞こえますが、心に残っています。

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