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専門外の医師のための大人のてんかん入門

兼本 浩祐 (著)

株式会社 中外医学社

128 頁  (2011年5月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

eBook Price(ダウンロード販売): ¥2,592 (税込) 

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リリース日: 2012年06月20日

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「非専門医がこれだけ知っていれば大丈夫」という基本的かつ実践的な知識のみをコンパクトに集約。「よくみる大人のてんかん」のみに焦点を絞って、可能な限り成人てんかんの一般的治療に不要な項目は省略した。
電子書籍版では、全文検索、収録内容から今日の治療薬・南山堂医学大辞典へのリンク参照など、電子ならではの機能を搭載。ぜひお手元でご活用ください。

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てんかん診療は専門家に任せておきたい領域と考える精神科医や神経内科医が少なくない一方で,日本においては専門医ではない医師が成人のてんかんを診療する機会が多いのもまた事実である.そこで本書では「よくみる大人のてんかん」のみに焦点を絞って可能な限り成人てんかんの一般的治療に不要な項目は省略し,「非専門医がこれだけ知っていれば大丈夫」という基本的かつ実践的な知識のみをコンパクトに集約した.


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たとえば,頭蓋内に留置された電極を通しての発作脳波同時記録や発作時SPECTによる精緻な発作の記述を目の当たりにして,てんかん診療は一部の専門家に任せておくべき領域だと断念してしまう精神科医や神経内科医は少なくないと思われる.良心的であればあるほどより一層そうした思いを抱く人達がいても不思議ではない.しかし他方で,諸外国と比べると本邦においては,多くの非専門医がてんかんをもつ成人の人達を診療していることがわかっている.わが国のてんかん診療の裾野が広いともそれは表現できるが,膨大な手間ヒマのかかるてんかん専門医に求められる知識ではなく,8割の人達を診療できる必要最小限の知識を提示することがこうした状況においては重要であろうと思われる.圧倒的多数の成人のてんかんの患者は,手術の対象にはならないし,多くの成人には発作回数やコスト・パーフォーマンスから,発作時脳波を記録することは現実的ではない.図1にどこまで詳しく診断をするかを動物の分類になぞらえて呈示してみたが,多くの成人の治療薬の選択に必要なのはレベル2までの鑑別診断であって,レベル4までの鑑別診断は多くの場合,必要とはされない(図1).

他方で,焦点性てんかんにも全般てんかんにも有効な新たな薬剤が市場に現れてきたことで,診断はレベル1まででいいのではないか,つまりは焦点性てんかんでも全般てんかんでも治療としては結局は同じではないかという議論が新たに力を得ている.しかし,たとえば森の中で何かが動いた時,それが犬か猫かがわからない程度にしか認識できないのであれば,そもそもそれは本当に何かの動物だったのか,それとも風で藪が揺らされただけなのではないかという疑念が残る.それと同様に,焦点性てんかんか全般てんかんかの区別すら判然としない程度の曖昧な把握しかできない場合,そもそもそれがてんかんかどうかもあやふやになってしまう可能性は十分にある.いかに広域スペクトラムの新薬であろうとも,てんかんかどうかがあやふやであれば投薬を開始できないことは当然である.

新たな国際てんかん分類は,手術例と小児の症例を診察する立場から眺めれば納得できる部分も少なくないが,成人において圧倒的多数を占めるてんかんは単に「てんかん」としか診断ができないサイレント・マジョリティに押しやられてしまう懸念がある.思春期以降の成人に的を絞った場合,何十もの数があるてんかん症候群の多くは対象外となって覚える必要はなくなり,必要不可欠な知識はそれほどに多くはない.本書は,姉妹書である『てんかん学ハンドブック』(医学書院)が小さな百科事典を目指したのと違い,可能な限り成人てんかんの一般的な治療に不要な項目は省き,現実に診察室に成人の抗てんかん薬ユーザーおよびその家族が現れる場面を想像しながら組み立てた.またてんかん診療を行う上で,1つの関門となると思われる脳波については,脳波の予備知識がなくても必要最小限のアプローチができるよう1つの章にまとめて提示した.脳波はてんかん診断において必須の道具であるが,脳波の読み落としよりも,脳波の読み過ぎが成人の診療においてはしばしば誤診の原因となること,成人の診療においては多くの場合,問診力がまず第1にあってそれから脳波の判読がくることを付け加えておきたい.


2011年 4月

兼本 浩祐


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第1章 「てんかん」との出会いに応じた初診時の対応

1. 1. 「けいれんした」

1. 2. 「けいれんしている」

1. 3. 「発作的におかしな行動をとる・意識がなくなる」

1. 4. 「薬が合っていない,薬のせいで調子が悪い」

1. 5. てんかんをもつ人の精神症状

1. 6. てんかんと妊娠・出産,車の運転

1. 7. 小児科からの引き継ぎ

1. 8. 初老期以降のてんかんの初発

1. 9. 単科精神病院

第2章 治療を始める前に

2. 1. てんかん4大ファミリープラス・ワンを診断する

2. 2. てんかんであると考える根拠,てんかんでないかもしれない可能性の根拠を説明する

2. 3. 患者・家族とともに「主訴」をみつけ,治療契約を結ぶ

2. 4. 可能な限り詳細に薬歴を聴取する

2. 5. 治療を開始する場合,開始しない場合のリスク・ベネフィットを説明する

2. 6. セカンド・オピニオンを積極的に勧める

第3章 大人のてんかんを診察するためのミニマム脳波

3. 1. ミニマム脳波用語

3. 2. 非専門医のための脳波判読の原則

3. 3. 脳波から読み取る2つの情報

第4章 代表的な大人のてんかんの診断と治療

4. 1. 側頭葉てんかん

4. 1′. 内側型前頭葉てんかん

4. 1”. 睡眠時大発作

4. 2. その他の新皮質起源の年齢非依存性焦点性てんかん

4. 3. 若年ミオクロニーてんかん

4. 3′. 覚醒時大発作てんかん

4. 3”. 若年欠神てんかん

4. 4. 心因性非てんかん性発作

4. 5. てんかんをもつ人に出現する精神病状態

4. 6. てんかんをもつ人に出現する抑うつ状態

4. 7. 教養としての学童期・乳幼児期発症のてんかん症候群

第5章 フォローアップはどうするか

5. 1. 再来受診の頻度

5. 2. 発作表をつけ,発作の印を決める

5. 3. 血液検査

5. 4. 脳波検査

5. 5. いつ誰をどんなふうにてんかん外科に紹介するか

5. 6. 投薬の終了

第6章 主要抗てんかん薬の薬剤プロファイル

6. 1. 抗てんかん薬の作用機序

6. 2. 有効性,忍容性,安全性

6. 3. 薬剤相互作用,半減期・Tmax,血中濃度

6. 4. バルプロ酸

6. 5. カルバマゼピン

6. 6. ラモトリギン

6. 7. トピラマート

6. 8. レベチラセタム

6. 9. ガバペンチン

6. 10. ゾニサミド

6. 11. クロバザム

6. 12. エトサクシミド

6. 13. フェニトイン

6. 14. フェノバルビタール

6. 15. その他のベンゾジアゼピン系薬剤

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特記事項

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お客さまからの声 

★★★★☆ 製品アンケートより
投稿者:匿名 (2018年6月 8日 14:05)

治療薬ごとに解説があって助かります。

★★★★☆ 製品アンケートより
投稿者:匿名 (2012年11月 9日 11:41)

わかりやすかった。とかく専門的な内容となりうんざりしがちなてんかんの話だが、これは通読できます。一度全般的な知識を求めている方に薦めます。

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