甲状腺・副甲状腺疾患診療ポケットブック

  • ページ数 : 178頁
  • 書籍発行日 : 2014年4月
  • 電子版発売日 : 2014年10月3日
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商品情報

内容

甲状腺疾患診療のエッセンスをよりコンパクトに凝縮

一般内科医に取っつきにくい印象がある内分泌や甲状腺の各疾患について、診療に最低限必要なエッセンスのみを抽出してわかりやすくまとめた、初学者や非専門医に特におすすめする一冊。

序文

はじめに

甲状腺疾患の症状は甲状腺腫による症状(びまん性または結節性の腫大や疼痛)と甲状腺ホルモンの異常に基づく症状に大別されます.どちらか一方だけのこともありますし,両方同時に出現することもあります.

内分泌や甲状腺の病気というと,患者さんだけでなく,一般医家の方々にもちょっとわかりにくい,とっつきにくい面もあるかと思います.私は,たとえばBasedow病の場合,検査結果に関して,患者さんに以下のように説明しています.

「甲状腺ホルモン」は首の根元にあるチョウチョウの形をした甲状腺という臓器でつくられ,血液中に分泌されます.「FT3」と「FT4」が甲状腺ホルモンです.「TSH」は脳下垂体から分泌される「甲状腺刺激ホルモン」で,甲状腺の受容体に働きかけてサーモスタットのように血液中の甲状腺ホルモンの量を一定レベルに調節しています.「甲状腺機能亢進症」は,何らかの原因で甲状腺が過剰に刺激されて甲状腺の働きが亢進し,血液中の甲状腺ホルモンが増加する病気です.その典型例が「Basedow病」ですが,通常は存在しないTSHの受容体に対する抗体が産生されて起こる病気です.抗体は,本来は外敵から身を守るためにウイルスなどに対してつくられるものですが,体質が原因で自分の体の成分に対してできてしまいます.この抗体がTSHの働きを無視し,甲状腺を刺激し続けることによって起こる病気です.したがって,Basedow病ではTSH受容体に対する抗体である「TRAb」や「TSAb」が検出されます.

また,甲状腺疾患はよく工場にたとえて説明します.原料はヨウ素,製品が甲状腺ホルモンです.TSHは正規の発注依頼,TSAbは悪意のある強制発注です.

本書は,拙著「甲状腺疾患の診かた,考えかた」をベースにして,甲状腺疾患診療のエッセンスをよりコンパクトに凝縮し,さらにより実践的な情報を加えて即戦力となるように工夫しました.日常診療のお供になれば幸いです.

2014年1月

田上 哲也

目次

1章 甲状腺・副甲状腺疾患緊急症

1.甲状腺クリーゼ

2.抗甲状腺薬による無顆粒球症

3.周期性四肢麻痺

4.粘液水腫性昏睡

5.甲状腺術後の気道閉塞(術後出血と両側反回神経麻痺)

6.テタニー

7.高カルシウム血症性クリーゼ

2章 甲状腺疾患

1.甲状腺疾患の診かた

2.甲状腺中毒症の鑑別診断

3.Basedow病

4.甲状腺眼症

5.橋本病(慢性甲状腺炎)と無痛性甲状腺炎

6.亜急性甲状腺炎と急性化膿性甲状腺炎

7.Plummer病(機能性結節)

8.甲状腺機能低下症

9.低T3症候群

10.SITSH(不適切TSH分泌症候群)

11.薬剤誘発性甲状腺機能異常

12.妊娠と甲状腺疾患

13.甲状腺腫瘍

3章 副甲状腺および骨・カルシウム代謝疾患

1.原発性副甲状腺機能亢進症

2.二次性副甲状腺機能亢進症

3.悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症

4.特発性副甲状腺機能低下症と偽性副甲状腺機能低下症

5.骨粗鬆症

6.骨軟化症

4章 多腺性内分泌疾患

1.多発性内分泌腫瘍症

2.自己免疫性多内分泌腺症候群

5章 臨床検査

1.甲状腺関連検査

2.骨・カルシウム代謝関連検査

3.超音波検査

4.アイソトープ検査

5.遺伝子検査

付録

1.甲状腺の解剖

2.略語一覧

事項索引

薬剤名索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498123564
  • ページ数:178頁
  • 書籍発行日:2014年4月
  • 電子版発売日:2014年10月3日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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