関節外科 2018年12月号 Vol.37 No.12 腰痛治療の最前線

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2018年11月
  • 電子版発売日 : 2021年10月27日
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商品情報

内容

特集:腰痛治療の最前線
腰痛の発症メカニズム
高齢者骨粗鬆症性・筋性腰痛の機序−サルコペニア,脊柱アライメントに着目して−
腰痛の疫学−大規模住民調査の結果より− ほか

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※「腰痛の疫学」(22〜27ページ)は都合により電子版には収載していません。

序文

introduction


腰痛治療の最前線を特集して

脊椎疾患においてアメリカでは2,500万人以上が腰痛を訴えており,年間1,000億ドル以上の医療費が腰痛治療に費やされている。腰痛の生涯罹患率は85%と報告され,わが国の報告においても,腰痛は男性1位,女性2位にランクされる国民愁訴である。いわゆるred flagとよばれる,腫瘍,感染,骨折は画像診断が可能な疾患である。しかしながら,腰痛は病因を確定できない非特異的腰痛が85%を占めると報告されている。

腰痛の機序として,まず,椎間板性腰痛が先行した。その研究として1980年代後半から免疫組織学的手法の発展により椎間板支配神経が同定され,それらが疼痛伝達に重要な神経伝達物質をもった感覚神経線維であることの報告が相次いだ。また,昨今,高齢者が増え,その研究対象が骨粗鬆症,筋減少と変化しつつある。特に最近,中殿皮神経の絞扼性腰痛も注目を浴びている。これらの腰痛の病態を臨床的に証明するために,わが国でも大規模疫学研究が進められており,MRIを用いた大規模かつ画期的なデータとなっている。

腰痛の診断として,今までのMRIは形態学的な計測を行うものがほとんどであったが,機能的MRI (functional MRI;fMRI),MRスペクトロスコピー(MRS),拡散強調画像(diffusion weighted image;DWI),が開発され,組織組成や脳活動を可視化することができるようになった。腰痛研究においても,疼痛部位から末梢神経,脳への伝達においてその生理学的な機能診断が期待されてきている。さらには患者診断においての診断サポートツールは多くに裨益を与えている。

腰痛の治療として,保存療法,薬物療法,手術療法,リエゾン療法が提唱されている。現在腰痛の原因がさまざまな要因からなり,特に高齢者の運動療法が治療のターゲットになっていることは間違いないだろう。骨粗鬆症とサルコペニアと腰痛との関連,また薬物,レジスタンストレーニングの効果に関するエビデンスのさらなる構築が必要であることが示唆される。さらには,これらの治療が実際に医療経済的に有益であるかの検証が重要となっている。わが国でもそのような検証がなされており。今後ますますの結果が求められている。

腰痛治療の今後の展望として,再生医療,新規骨補填材料,ロボットリハビリテーション,脊髄刺激療法などが導入されている。多くのエビデンスが期待されている分野である。特にわが国では,少ない研究分野が,多施設研究,meta-analysis,randomizedcontroled tria(l RCT),cadaver studyなどである。エビデンスの高さから,metaanalysis,RCT,non-RCT,observational cohortであるが,このようななか,われわれの目指すべきところはどこかをしっかりと見極めることが重要である。わが国からのbig dataを多くのコストをかけずに収集・共有し,世界で勝負できる臨床研究を発信できるような環境が必要と考える。


千葉大学大学院医学研究院整形外科学
大鳥精司

目次

特集:腰痛治療の最前線  企画・編集:大鳥精司

Ⅰ. 腰痛の機序  

腰痛の発症メカニズム  澤地恭昇ほか

高齢者骨粗鬆症性・筋性腰痛の機序−サルコペニア,脊柱アライメントに着目して−  江口 和ほか

Ⅱ. 腰痛の疫学  

腰痛の疫学−大規模住民調査の結果より−  橋爪 洋ほか

Ⅲ. 腰痛の診断  

MRIを用いた腰痛の可視化の可能性  高島弘幸ほか

脊椎疾患による神経障害性疼痛の新たなスクリーニングツール−Spine painDETECTの開発−  二階堂琢也ほか

腰痛診断のpitfallとなりやすい上・中殿皮神経の絞扼について  青田洋一ほか

Ⅳ. 腰痛の治療  

腰痛に対する保存療法−運動療法−  本郷道生ほか

腰痛の薬物療法  橘 俊哉

腰痛の手術療法  大場悠己ほか

腰痛のリエゾン療法  鉄永倫子ほか

Ⅴ. 腰痛の医療経済  

腰痛の医療経済  海渡貴司

Ⅵ. 腰痛治療の今後の期待  

腰痛に対する再生医療の現状 2018 update  酒井大輔

脊椎疾患に対する同種骨移植  井上 玄ほか

腰痛に対するロボットリハビリテーションの応用  國府田正雄ほか

腰痛疾患への脊髄刺激療法(spinal cord stimulation)の適応と限界  志賀康浩ほか

連載

・これだけは知っておきたい,整形外科的徒手検査法
第36回 上肢,頚椎 Allen test for TOS  日吉 優ほか

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書籍情報

  • ISBN:9784008203712
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2018年11月
  • 電子版発売日:2021年10月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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