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- Heart View 2018年7月号 Vol.22 No.7 脂質代謝異常と循環器疾患
商品情報
内容
1．脂質異常症と冠動脈疾患～わが国の疫学研究から
2．脳血管疾患と脂質～疫学研究から
3．動脈硬化惹起性リポ蛋白と動脈硬化促進のメカニズム
ほか
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序文
企画にあたって
山下静也
（地方独立行政法人りんくう総合医療センター副理事長・病院長）
循環器疾患のなかで，冠動脈の動脈硬化病変による急性心筋梗塞の発症率は近年増加しつつあり，また発症年齢も若年化しつつある。このような冠動脈疾患や虚血性脳卒中，末梢動脈疾患などの背景には粥状動脈硬化が存在する。動脈硬化は脂質異常症，高血圧症，糖尿病（耐糖能異常も含めて），喫煙等の多くの危険因子によって起こるが，本企画では脂質代謝異常と循環器疾患に焦点をあて，冠動脈疾患，脳血管疾患の疫学研究に始まり，動脈硬化惹起性リポ蛋白がどのような機序で動脈硬化を引き起こすのか，オキシステロールのような特殊な脂質と動脈硬化との関係，オメガ3系多価不飽和脂肪酸およびその代謝産物の抗動脈硬化作用について解説していただいた。
一方，臨床的には主として遺伝性の原発性脂質異常症，特に家族性高コレステロール血症（FH），続発性脂質異常症，HDL 代謝異常症，高トリグリセライド血症や食後高脂血症も動脈硬化性疾患を発症させやすい。しかしながら，長鎖脂肪酸のトランスポーターの１つであるCD36の欠損症，植物ステロールの代謝異常であるシトステロール血症，胆汁酸合成系の酵素の異常によりコレスタノールが蓄積する脳腱黄色腫症においても動脈硬化易発症性となる。
さて，このような動脈硬化性疾患の発症の１次予防，2次予防に関しては，スタチンや小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の臨床的エビデンスがそろってきた。最近，PCSK9阻害薬やMTP 阻害薬が市販され，従来はきわめて難治性であったFH 患者においてもLDL- コレステロールを相当下げることが可能となり，PCSK9阻害薬エボロクマブを用いたFOURIER 研究ではPCSK9阻害薬が心血管イベント発症を有意に抑制することが示された。しかしながら，HDL を標的とした治療薬の開発は多くのCETP 阻害薬の開発の失敗により，十分な成果が得られていない。日本動脈硬化学会では2017年6月末に，動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版を発行し，最新エビデンスに基づいた指針を出した。
本特集ではこのようなトピックスについて，専門の先生方にご執筆いただいた。本特集が脂質代謝異常と循環器疾患の関連についての新しい指針となれば幸いである。
目次
特集：脂質代謝異常と循環器疾患 企画・構成／山下静也
診る
1．脂質異常症と冠動脈疾患～わが国の疫学研究から 平田あや，岡村智教
2．脳血管疾患と脂質～疫学研究から 髙橋 務，松本昌泰
3．動脈硬化惹起性リポ蛋白と動脈硬化促進のメカニズム 石井秀人，吉田雅幸
4．［Expertise］オメガ3系多価不飽和脂肪酸およびその代謝産物の抗動脈硬化作用 篠原正和，平田健一
識る
5．家族性高コレステロール血症などの原発性高脂質血症と動脈硬化 石橋 俊
6．続発性脂質異常症と動脈硬化 栁内秀勝，吉田 博
7．HDL代謝異常症と動脈硬化 杜 隆嗣，石田達郎
8．高トリグリセライド血症 食後高脂血症と動脈硬化 増田大作
9．長鎖脂肪酸代謝異常と動脈硬化 中谷和弘
10．食品と生体内に存在するオキシステロール 市 育代
11．［Expertise］オキシステロールと動脈硬化 小関正博
治す
12．動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版 木下 誠
13．LDLコレステロール低下療法のエビデンス 船水岳大，宮内克己
14．新しい作用機序の選択的PPARαモジュレーター（SPPARMα） 荒井秀典
15．［Expertise］HDLをターゲットとした治療法の最新情報 大濱 透
連載
・【責任冠動脈を追え！PCIエキスパートになるための25カ条】
第6条：ガイドワイヤー（GW）を使いこなすべし 小川崇之
・【魅せる！聴かせる！学会発表プレゼンテーション技法】
6．グラフの強調は明確に 渡部欣忍
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書籍情報
- ISBN：9784008102207
- ページ数：116頁
- 書籍発行日：2018年6月
- 電子版発売日：2021年10月22日
- 判：A4変型
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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