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- 臨床画像 2017年1月号 サルコイドーシス：疾患概念と最新の画像診断
商品情報
内容
序文
序説
サルコイドーシスは，胸部単純写真で両側肺門リンパ節腫大（BHL）を呈することで有名である。臨床的には，生検可能な皮膚病変を丁寧に探すことやブドウ膜炎あるいは房室ブロックを示す症例で本疾患を疑うことが重要である。以上はサルコイドーシスの典型像である。
サルコイドーシスの原因としてアクネ菌に対する異常免疫反応が考えられている。しかしいまだに，本疾患の定義はリンパ節を中心とした多臓器を侵す，原因不明の類上皮性・非乾酪性肉芽腫性病変である。そこで，侵される臓器の組み合わせによっては診断に難渋することも少なくない。『患者はだれでも物語る』（リサ・サンダース著，ゆるみ出版，2012年）に，神経系統と肺組織を侵された中年女性が登場する。多くの診療科のさまざまな医師が診断できず，CTやMRIを読影した放射線科医も残念ながら診断できなかった。最後の頼みとなったポデル医師も苦戦を強いられたが，友達の病理医が標本を再検討して，巨大細胞の集合を含んだ肉芽腫を発見した。この病理所見と臨床像から，ポデル医師は本症の診断をくだすことができた。「干し草の山の中から針が見つかった」と著者は記している。
本特集では，そのようなサルコイドーシスの臨床像や“致命的で日本人に多い”心臓サルコイドーシスについて専門の先生方に解説していただいた。本号と併せて，日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会のホームページにアクセスしていただきたい。経験豊かな放射線科の先生方には，肺・縦隔病変に加えて中枢神経系，腹部，四肢のサルコイドーシス病変の臨床画像を数多く提示していただいた。加えて本特集は，心臓サルコイドーシスに焦点をあてている。日本人に多い重篤な合併症で，それゆえわが国の診断基準が世界標準となっており，MRIやFDG‒PETといった画像診断がその診断根拠となっているからである。サルコイドーシスは，突然死や心不全の防ぎうる原因疾患の1つである。
読者の先生方には，サルコイドーシスの臨床情報やさまざまな画像所見を堪能していただきたい。各臓器と多くの専門診療科をまたぐ本疾患は，放射線科医向きの疾患であると思う。本特集が，放射線科医がサルコイドーシスを診断できる頼みの医師になることに役に立てば望外の喜びである。
編集：日本大学病院 放射線科 天野康雄
企画：日本医科大学武蔵小杉病院血管内・低侵襲治療センター 田島廣之
目次
特集：サルコイドーシス：疾患概念と最新の画像診断
序説／天野康雄
臨床一般：概論／山田嘉仁ほか
心臓サルコイドーシスの臨床像と新しい診断基準／伊藤隆英ほか
神経サルコイドーシスのMRI所見／雫石 崇ほか
サルコイドーシスの胸部画像診断／一色彩子ほか
サルコイドーシスの腹部画像診断／吉野久美子ほか
骨軟部領域のサルコイドーシス／北村範子ほか
心臓サルコイドーシスの画像診断／真鍋徳子
サルコイドーシスの核医学診断／福嶋善光ほか
Current Topics
画像診断医のためのクラウド／鳥飼幸太
連載
・今月のKey findings［10］
骨・軟部組織①／瀬川昂史ほか
・特集アドバンストコース［2016年9月号特集］
画像診断医必携! 指定難病の画像診断／田嶋 強
・私が診断に迷った症例［9］
神経リンパ腫症の存在診断，質的診断で迷った症例／豊田圭子
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書籍情報
- ISBN：9784008003701
- ページ数：116頁
- 書籍発行日：Invalid date
- 電子版発売日：2023年10月10日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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