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- 画像診断 2018年10月号(Vol.38 No.12) 知っておきたいリンパ系の画像診断
商品情報
内容
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序文
序説
これまで,リンパ系の画像診断が書籍や雑誌の特集で取り上げられることは,まずなかったといってもよいだろう.今回思い切って,可視化が進んできたリンパ系を画像の観点からとらえた特集を組んでみた.
画像診断技術の進歩を振り返ってみると,血管系,呼吸器系,胆道系,消化管系,尿路系,骨格筋系など多くの人体のシステムは,低侵襲かつ高精細な3次元像で可視化できるようになり,日常臨床で広く活用されるようになった.しかし,リンパ系,特にリンパ管の可視化は,他領域と比べるとかなり取り残されてきたように感じる.人体の3次元での可視化というテーマに長年関わってきた筆者も,数年前からこの領域の可視化を重点的に検討していければと思うようになった.
リンパ管の可視化の試みの歴史は実は古く,1930年に日本の解剖学者がウサギの下肢のリンパ管造影を試みている.ヒトでは1952年にリンパ管造影の報告が行われ,リンパシンチグラフィも1950年代に報告されている.2001年にMR lymphographyが報告され,これによりリンパ系が3次元的に描出可能になった.しかし,いずれも両足背を穿刺して行う手法に対する侵襲的な印象が先行し,広く行われるようにはならなかった.
ところが,この数年でリンパ管の画像の重要性が改めて認識されるようになった.それは"リンパ漏へのIVR"と"リンパ管細静脈吻合術"という,リンパ系の2つの治療技術が普及し始めたことによると思われる.リンパ漏へのIVRは1990年代後半に動物実験および臨床応用が報告されたが,2011年に正常のリンパ節を穿刺してリンパ管造影を行う方法が報告されたことで,多くの施設で比較的簡便に行うことができるようになった.リンパ管細静脈吻合術は1977年に原型が報告されているが,今回の執筆者の1人である光嶋 勲先生らが1990年代に顕微鏡下の吻合技術を導入し,さらに2007年にICG蛍光リンパ管造影法との併用を開始したことで,国際的に広がりをみせてきている.
一方,リンパ系の中でも,リンパ節の画像評価はリンパ管よりも早い時期に確立されている.センチネルリンパ節の核医学での描出は1993年に報告されたが,その1〜2年後には当院でも外科と放射線科が連携して積極的に用いはじめ,すでに世界中で広く活用されている.また,リンパ節の評価は,癌の転移や炎症の場として古くからCTの最も得意とする診断領域であるが,リンパ節番号の振り方や特異的な炎症性リンパ節炎の診断は,古くから放射線科医が押さえておくべき重要なポイントである.
今回の企画では,まず,放射線関連の本ではあまり取り上げられることのないリンパ系の解剖と生理を解説していただいた.続いて,リンパ管造影法,リンパ管シンチグラフィ,MR lymphangiographyといったリンパ管描出法と,核医学でのセンチネルリンパ節評価やCTでのリンパ節評価といったリンパ節の診断法を盛り込んでみた.さらに,IVR治療とリンパ吻合手術についても取り上げ,治療の観点からリンパ系描出の意義がわかるようにした.どの原稿もその道の第一人者により執筆されており,リンパ研究に賭けてきた意気込みが伝わってくる力作ばかりである.
この特集を通して,今後重要性が高くなるであろうリンパ系の画像診断に,少しでも多くの方が興味をもっていただけることを願っている.
陣崎雅弘
目次
【特集】
序説
リンパ系の解剖と生理
リンパ管造影法
リンパ系の核医学診断
リンパ系のMRI診断
間違いやすいリンパ節の分類
特徴的なリンパ腫大を呈する疾患
リンパ漏病変に対するIVR
ICG蛍光リンパ管造影法
−世界に広まったLV吻合術の立役者−
【連載】
すとらびすむす
君々足らずとも臣々たれ
画像診断と病理
転移性膵腫瘍(腎淡明細胞癌)
ここが知りたい!
画像診断2018年5月号特集
「腸の画像診断update」
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
卵巣低異型度漿液性癌
CASE OF THE MONTH
Case of October
The Key to Case of August
General Radiology診断演習
特異的な画像所見.診断は決まり!?
他科のエキスパートにお尋ねします-ここを教えていただけますか?
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書籍情報
- ISBN:9784780905090
- ページ数:118頁
- 書籍発行日:2018年9月
- 電子版発売日:2018年11月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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